モーツァルト/ロンドニ長調K514

トゥーニス・ファン・デァ・ズヴァールト(2006)
CD(harmonia mundi HMC901946)

モーツァルト/管楽器のための協奏曲集
1.ホルン協奏曲第4番変ホ長調K495
2.オーボエ協奏曲ハ長調K314
3.ファゴット協奏曲変ロ長調K191
4.ホルン協奏曲第1番ニ長調K386b
5.ロンド ニ長調K514(ヨハン編)

 トゥーニス・ファン・デァ・ズヴァールト(ナチュラルホルン)
                (1、4&5)
 カタリナ・アルフケン(オーボエ)(2)
 ドナ・アグレル(ファゴット)(3)
  ペトラ・ミュレヤンス指揮
  フライブルク・バロック管弦楽団
   録音 2006年5月

 フライブルク・バロック管弦楽団と18世紀オーケストラの首席ホルン奏者トゥーニス・ファン・デァ・ズヴァールトによるモーツァルトです。ナチュラルホルンを自在に吹きこなす彼の凄さはハイドンでも明らかですが、ここでも見事です。
 ホルン協奏曲第4番は第1楽章のズヴァールトの滑らかなナチュラルホルンの演奏が素晴らしいです。そしてアドリブの装飾音を加えています。カデンツァは低音から高音まで使う長大な演奏で、ナチュラルホルンを自在に吹きこなした素晴らしいものです。第2楽章のロマンツェはホルンの多彩な響きを楽しめるロマンスです。ナチュラルホルンのストップ音による音階の楽しさがあります。第3楽章のロンドは流麗なホルンで快適な演奏です。ここでもトリルを加えてズヴァールトらしい演奏です。コーダ前に短いカデンツァが入ります。
 オーボエ協奏曲ハ長調はフルート協奏曲第2番の原曲です。アルフケンのバロック・オーボエの愛らしい響きが大変きれいです。第1楽章の滑らかな演奏、カデンツァの素晴らしいこと、第2楽章のオーケストラと一体化した素晴らしい響きも聴きものです。第3楽章の軽やかな演奏はモーツァルトの名曲を一層素晴らしいものにしています。
 ファゴット協奏曲変ロ長調はファゴット協奏曲の代表的な作品です。アグレルのファゴットはやわらかな音色で深い響きも素晴らしいものです。第1楽章は低音から高音まで滑らかに演奏しています。カデンツァも見事な演奏です。第2楽章の美しい響き、第3楽章のさわやかな演奏はホルンのハイトーンと共に楽しくなります。
 ホルン協奏曲第1番はロンドK514を続けて演奏して3楽章のように演奏しています。第1楽章はモーツァルトのホルン協奏曲でも際立って美しい主題が演奏されます。ズヴァールトのナチュラルホルンはここでも流麗な演奏です。右手の動きがわかるような音階が面白いです。第2楽章のロンドはジェスマイアー編曲の通常の楽譜に寄る演奏です。滑らかなホルンが素晴らしい響きです。
 ロンドK514はトーステン・ヨハンの編曲です。オリジナルのスケッチからの編曲です。ロバート・レヴィンの編曲とはオーケストレーションに若干の違いがあって興味深いです。ホルンは低音の深い響きが特徴で、ジェスマイアー版とはかなりメロディの違いがあります。カデンツァもあってこのロンドは名作です。ズヴァールトのホルンも大変素晴らしい演奏です。


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