モーツァルト/ホルン二重奏曲K487

2曲/アンドリュー・クラーク&ロジャー・モントゴメリー(1997)
CD(EMI 7243 5 72822 2 2)

ホルンのための室内音楽
1.モーツァルト/ホルン五重奏曲変ホ長調K407
2.   〃  /ホルンのための二重奏曲K487より
          第1曲、第3曲
3.ベートーヴェン/六重奏曲変ホ長調Op81b
4.   〃    /ホルン・ソナタOp17
5.ブラームス/ホルン三重奏曲変ホ長調Op40
  アンドリュー・クラーク(ナチュラルホルン)(1〜5)
  ロジャー・モントゴメリー(ナチュラルホルン)(2&3)
  カトリーヌ・マルタン(ヴァイオリン)(1、3&5)
  ジョフリー・ゴヴィール(フォルテピアノ)(4)
       〃      (ピアノ)(5)
  アンサンブル・ギャラン(1&3)
   録音 1997年9月

 アンドリュー・クラークとアンサンブル・ギャランによるホルンのための作品集です。モーツァルトの五重奏、ベートーヴェンの2曲、そしてブラームスのトリオと古典派名曲の揃い踏みです。
 モーツァルトの五重奏曲は実に鮮やかなハンドさばきで装飾音も巧みです。音色もきれいでストップ音もあまりこもらなくてきれいな演奏です。2曲のデュオは12のデュオからモーツァルトのオリジナルといわれる3曲の中の2曲です。モントゴメリーとの息のあった演奏が見事です。
 ベートーヴェンの六重奏曲はナチュラルホルンでは滅多に聴けません。モントゴメリーも凄腕のホルン奏者ですが、この二人の演奏は恐ろしいほどうまいです。第3楽章の速いフレーズ(第2ホルン)がまた速いです。なお、この曲ではゲシュトップの音を効果的に使っています。この第3楽章でクラークは珍しくカデンツァを入れています。
 ホルン・ソナタはナチュラルホルンの音色を生かした演奏で、大きな音を出しています。テクニックは抜群でこの曲本来の響きを出しています。(以上モーツァルトとベートーヴェンはユングヴィルトのナチュラルホルン使用)
 ブラームスのトリオではシュミットのナチュラルホルンに持ち替えて吹いています。確かに響きが違います。このブラームスによく合います。クラークの演奏は28分ほどの速い演奏で、スケルツォは速いです。モダン楽器でも難しい曲を難なく吹いています。第4楽章も速いテンポで吹いています。いくつかあるナチュラルホルンのブラームスの中でも聴く者を圧倒させる演奏でしょう。素晴らしいアルバムです。


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