モーツァルト/ホルン二重奏曲K487

8曲/トゥーニス・ファン・デァ・ズヴァールト&エルヴィン・ヴィーリンガ(2006)
CD(GLOSSA GCD921110)

モーツァルト/ホルンのための作品集
1.ホルンのための12の二重奏曲第8番K487−
2.ホルン五重奏曲変ホ長調K407
3.ホルンのための12の二重奏曲第7番K487−
4.ホルンのための12の二重奏曲第2番K487−
5.歌劇「ポントの王ミトリダーテ」K87より
      アリア「あなたから遠く離れて」
6.ホルンのための12の二重奏曲第3番K487−
7.ホルンのための12の二重奏曲第12番K487−12
8.ホルン協奏曲第3番変ホ長調K447
9.ホルンのための12の二重奏曲第9番K487−
10.ホルンのための12の二重奏曲第5番K487−5
11.音楽の冗談K522
12.ホルンのための12の二重奏曲第4番K487−4

  トゥーニス・ファン・デァ・ズヴァールト
           (ナチュラルホルン)(1〜12)
  エルヴィン・ヴィーリンガ(ナチュラルホルン)
           (1、3、4、6、7、9〜12)
  クラロン・マクファデン(ソプラノ)(5)
  フランス・ブリュッヘン指揮
    18世紀オーケストラ
   録音 2006年6月〜2008年7月

 18世紀オーケストラの首席ホルン奏者ズヴァールトのモーツァルトです。ホルン五重奏曲、オペラ・アリア、ホルン協奏曲、音楽の冗談の前後に12の二重奏曲を挟む面白い録音です。前奏曲、間奏曲、フィナーレにホルン・デュオを入れたユニークなアルバムです。
 ズヴァールトとヴィーリンガのデュオも素晴らしい演奏ですが、なんといっても聞き物は歌劇「ポントの王ミトリダーテ」のアリアでしょう。ソプラノと二重唱になるところは見事で、モーツァルトの粋な作品といえましょう。8分25秒の演奏は新たなホルンの曲としても魅力的です。
 ホルン五重奏曲はなめらかな演奏です。まるでヴァルブがあるかのような演奏です。ズヴァールトが現代のジョヴァンニ・プントになったといえましょう。まさにスペシャリストの演奏です。第3楽章は余裕の演奏でビヴラートまでかけています。
 ホルン協奏曲は第1番と4番も録音していますので、待望の録音です。ズヴァールトは閉止音をやんわりと吹いてこもった音にならないようにしていますので大変きれいな演奏になっています。カデンツァは面白いです。モーツァルトらしからぬカデンツァで驚きます。ロンドもスムーズで、フェルマータのあとに即興を入れており大変楽しいです。
 音楽の冗談はホルンが音をはずす面白さを音楽にしたモーツァルトのジョークです。 古楽器の演奏は太い音のですホルンが目立つ演奏です。メヌエットは面白いです。ホルンが音をはずすメロディは閉止音を使うのでつぶれた音がまた面白く、茶目っ気たっぷりのモーツァルトが音をはずすように吹かせたのでしょう。


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