クルフト/ホルン・ソナタ

グリゴリー・ハスティス(1998)
CD(CRYSTAL RECORDS CD770)

ホルンのための珠玉の抒情曲集
1.フォーレ/5つの歌曲(プロクター編)
    1)「ネル」Op18−1
    2)「ゆりかご」Op23−1
    3)「この世で」Op8−3
    4)「川のほとりで」Op8−1
    5)「夢のあとに」Op7−1
2.クルフト/ホルン・ソナタ ヘ長調
3.スクリャービン/ロマンス
4.ネリベル/協奏的スケルツォ
5.ライネッケ/ノットゥルノOp112
6.フランセ/オクターヴのカノン
7.ヴィンター/狩猟月(ハンターズムーン)
8.グリエール/4つの小品
    1)ノクターンOp35−10
    2)ロマンスOp35−6
    3)間奏曲Op35−11
    4)悲しきワルツOp35−7
9.ボザ/森にてOp40
10.マラン・マレ/ル・バスク

  グリゴリー・ハスティス(ホルン)
  スティーヴン・ハーロス(ピアノ)
    録音 1998年4月7〜9日

  ハスティスのリサイタルCDです。しかも美しい曲ばかり選んで演奏しています。フォーレの歌曲はプロクターの編曲です。「ゆりかご」や「夢のあとに」などの抒情的な歌がホルンで歌われます。
クルフトのホルン・ソナタは本来ホ長調ですが、ここではヘ長調版を演奏しています。ハスティスの演奏では第2楽章が大変抒情的です。
  スクリャービンの「ロマンス」は短い小品ですが哀愁的なメロディがきれいな作品です。
  ライネッケの「ノットゥルノ」は朗々と美しいメロディが流れます。高音域から低音域まで使うものでハスティスの素晴らしいホルンの演奏にしばし聞きほれます。
  フランセの「オクターヴのカノン」は短い小品で忙しく動き回る動物のようです。
  ヴィンターの「ハンターズムーン」はイギリスの作曲家によるものでブレインも愛奏したらしく、静と動が入り混じる名作です。ゲシュトップの効果も見逃せません。
  グリエールの「4つの小品」は「ノクターン」、「ロマンス」、「間奏曲」、「悲しきワルツ」の順に演奏されています。「ノクターンの哀愁的な主題がとても印象的です。「ロマンス」の美しさ、「間奏曲」の抒情的な響き、「悲しいワルツ」の哀愁的なメロディの美しい響きが素晴らしい演奏です。
  ウジェーヌ・ボザの「森にて」はパリ音楽院の卒業試験の課題曲として作曲されています。巧みな技法と低音から高音まで安定した演奏を要求されます。ハスティスの演奏は力強い演奏というよりもこの作品の美しい響きに焦点をあてたような素晴らしい演奏です。
  マラン・マレの「ル・バスク」はブレインが愛奏したアンコール曲でした。ハスティスは後半にテンポアップして最後にグリッサンドしています。


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