ツェルニー/ホルン作品

アンダンテとポラッカ/山本 昭一(1991)
CD(自主制作 SY−1216)

山本昭一/ホルン・リサイタル
1.アニシモフ/ポエム(詩曲)
2.F・シュトラウス/ノクターンOp7
3.グリエール/ノクターンOp35−10
4.グリエール/コロラトゥーラ・ソプラノの為の
     協奏曲Op82(セロスターノフ編)
5.プレル/子鹿の夢
6.ビュッセル/小品ニ長調Op39
7.ツェルニー/アンダンテとポラッカ
8.ポー/伝説
9.グノー/ピストン・ホルンのための
      6つのメロディーより第1番
10.グノー/ピストン・ホルンのための
      6つのメロディーより第2番
11.ロドリーゴ/4つの愛のマドリガルより
    「ポプラの林に行ってきた」
12.サン=サーンス/ロマンスOp36
13.ペルノー/小幻想曲
14.F・シュトラウス/ロマンス「別れ」
15.グノー/アヴェ・マリア
  山本 昭一(ホルン)
  中野 慶理(ピアノ)
   畑  彰子(ピアノ)
  椋木 裕子(ピアノ)
 録音 1983年(1、2&12)
     1985年(14)
     1991年(5、6、7&15)
     1994年(8、9、10、11&13)
     1995年(3&4)
    宝塚ヴェガ・ホール・ライヴ

 日本の優れたホルン奏者の一人、山本昭一のリサイタルを、追悼記念として自主制作されたアルバムです。5回のリサイタルから15曲が選ばれています。なお、ピアノ伴奏の曲別詳細の記載はありません。
 アニシモフのポエムはホルンとピアノのためのオリジナル作品です。冒頭を飾るに相応しい曲でしょう。ホルンの魅力をたっぷり味わえる作品です。F・シュトラウスのノクターン(夜想曲)は1983年の録音で、この曲の録音としては最も古いと思います。軽いヴィブラートで歌うホルンの美しさは絶品です。
 グリエールのノクターンは4つの小品からの1曲、協奏曲のほうはホルン協奏曲ではなく、コロラトゥーラ・ソプラノの為の協奏曲をセロスターノフがホルンとピアノのために編曲したものです。録音は大変珍しく他では聴けそうもありません。
 プレルの「子鹿の夢」はフランスの名ホルン奏者ジャン・ドゥヴェミーの為に作曲された小品です。山本のホルンにピッタリの曲でしょう。ビュッセルはホルンのためにいくつか作曲していますが、小品ニ長調はまずピアノがドビュッシーを思わせる響きが素晴らしいです。ホルンの歌もシャンソンのようです。
 ツェルニーはオーストリアの名ピアニストでした。「アンダンテとポラッカ」はバウマンの録音以来演奏されるようになった名曲です。アンダンテは表情豊かな演奏です。ピアノ・パートの美しさもまた聞き物です。ポラッカではホルンとピアノのきらめきが素晴らしい。
 ポーの伝説はペーター・ダムの録音以来演奏されるようになりました。前半のヴィブラートがきれいです。グノーの6つのメロディーは2曲が演奏されています。第1番は悲しみをこめた歌を歌っているような作品です。第2番は明るく軽快な気分になる楽しい曲です。
 ロドリーゴの歌曲集「4つの愛のマドリガル」からホルンのために編曲された「ポプラの林に行ってきた」はリズム感ゆたかでギター伴奏で聞きたくなるような作品です。ホルンの軽やかな演奏は見事です。他では聴けそうもありません。
 サン=サーンスのロマンスは明るい音色で幸せに満ちたようなホルンです。こんなロマンスもあるのだろうかと聞き惚れてしまいます。ペルノーの小幻想曲は1952年の作品でこれもフランスの名ホルン奏者ジャン・ドゥヴェミーの為に作曲されました。フランスの香り漂う逸品。
 F・シュトラウスのロマンス「別れ(告別)」はノクターンと共に親しまれる名曲です。F・シュトラウスのホルン協奏曲のアンダンテで歌われるメロディーに似たメロディーが聞こえてきます。ホルンの豊かな響きとヴィブラートがきれいです。
 最後の曲グノーのアヴェ・マリアはヴァイオリンで歌われる名曲です。ホルンのやわらかな響きで聞くのもまたいいものです。最後の2曲、「別れ」と「アヴェ・マリア」は山本昭一の白鳥の歌になりました。


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