ティペット/4本のホルンのためのソナタ

マイケル・トンプソン・ホルン・カルテット(1995)
CD(EMI 7243 5 86587 2 9)

マイケル・ティペット作品集
1.「セリンガーのラウンド」によるディヴェルティメント
2.弦楽のための小音楽
3.4本のホルンのためのソナタ
4.典礼の踊り〜「真夏の結婚」より

  サー・ネヴィリマリナー指揮
   アカデミー室内管弦楽団(1&2)  
  マイケル・トンプソン・ホルン・カルテット(3)
   マイケル・トンプソン(ホルン)
   ジェフリー・ブライアント(ホルン)
   リチャード・ワトキンス(ホルン)
   ヒュー・シーナン(ホルン)
  ルドルフ・バルシャイ指揮
   ボーンマス交響楽団(4)
  録音 1995年2月14〜18日(1&2)
      1995年5月12&14日(3)
      1984年11月25&26日(4)

 サー・マイケル・ティペット(1905〜1998)の作品集です。
 「セリンガーのラウンド」によるディヴェルティメントは室内管弦楽団のための作品です。第1楽章「アレグロ」、第2楽章「ア・ラメント(アンダンテ・エスプレシーヴォ)」、第3楽章「プレスト」、第4楽章「アダージョ」、第5楽章「アレグロ・アッサイ」の5つの楽章で構成されています。第2楽章ではヴァイオリン・ソロが流れます。
 「弦楽のための小音楽」は弦楽のためのセレナードのように4つの楽章で構成されています。第1楽章「プレリュード(マエストーソ)」、第2楽章「フーガ(アレグロ・モデラート)」、第3楽章「アリア(アンダンテ・エスプレシーヴォ)」第4楽章「フィナーレ(ヴィヴァーチェ)」となっていて第1楽章から抒情的な弦楽の響きが流れます。
 「4本のホルンのためのソナタ」はデニス・ブレインがヒンデミットの4本のホルンのためのソナタを演奏する時に、もうひとつのプログラムが欲しくて作曲を依頼したようです。トンプソン、ブライアント、ワトキンスそしてシーナンというイギリスきっての巨匠たちのアンサンブルは緊張感あふれる名演奏をきかせてくれます。第1楽章「アレグロ・モルト・モデラート」は冒頭の響きにハッとさせられます。そして掛け合いの見事な演奏には圧倒されます。第2楽章[アレグロ・ジョコーソ」の快活な演奏も素晴らしい。速いテンポでアンサンブルの切れの良さは抜群です。細かいフレーズは絶品です。第3楽章「レント・カンタービレ(ノクターン・スタイルのトランクウィロ)」は不協和音がきれいに響いています。ホルン四重奏のバランスのとれた響きが流れます。終結では第1楽章冒頭の動機が聞かれます。第4楽章「アレグロ・モルト・エ・ヴィゴローソ」は難しいフレーズの連続ですが、巨匠たちの演奏は緊張感があり、これ以上ないような名演を繰り広げています。
 歌劇「真夏の結婚」から「典礼の踊り」は「前奏曲」と「4つの踊り」になっています。第1の踊り「秋の大地」、第2の踊り「冬の水」、第3の踊り「春の大気」、第4の踊り「夏の炎」となっていて28分を超える長大な音楽です。全曲が続けて演奏されます。


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