ワイルダーのホルン作品

ホルン、テューバとピアノのための組曲第1番&2番/ウィルソン(2008)
CD(SUMMIT DCD 558)

ホルンとテューバのための音楽
1.ワイルダー/ホルン、テューバとピアノのため
                 組曲第2番
2.J・バッハ/ホルンとテューバのための
                 ブカプカ組曲
3.マドセン/ホルン、テューバとピアノのための
             ディヴェルティメントOp43
4.バスラー/ホルンとテューバのための
              「ケン・ビッツ」
5.ワイルダー/ホルン、テューバとピアノのため
                 組曲第1番
6.ケラウェイ/ホルン、テューバとピアノのための
           「オーシャンブリーズの踊り」

  ジェームズ・F・ウィルソン(ホルン)(1〜6)
  ジェイ・ハンスバーガー(テューバ)(1〜6)
  Yun-ling Hsu(ピアノ)(1、3、5&6)
   録音 2008年5月 
   フロリダ/聖ボニー・フェイス教会

 このアルバムは「OOMPHA SUITE(プカプカ組曲)」というタイトルの「ホルンとテューバのための音楽」です。ジェームズ・F・ウィルソンはアメリカのホルン奏者で、フロリダ・オーケストラの首席ホルン奏者、ユタ交響楽団の副首席ホルン奏者などの経歴を持っています。
 アレク・ワイルダーの「ホルン、テューバとピアノのための組曲」は2曲あります。第2番は5つの楽章で構成され、第2楽章「モルト・ドルチェ」、第3楽章「ジャズ・スタイルで」、第4楽章「アリア」というユニークなスタイルですが、アメリカらしい作品でもあります。ホルンとテューバのやわらかい響きをうまく使った作品です。
 ジャン・バッハ(1937〜)の「ホルンとテューバのためのプカプカ組曲」はアルバムのタイトルになっている作品でホルンとテューバのデュオです。6つの小品からなる組曲で「イントラーダ」「ブルレスカ」「声部交換プロムナード」「ギャロップ」「シチリア風のカノン」「ジーグ」の6曲です。現代のバッハがバロック風な音楽を聞かせてくれます。
 トリグヴェ・マドセンの「ホルン、テューバとピアノのためのディヴェルティメント」は4つの楽章で構成されています。第1楽章「アンダンテ」は抒情的な主題がホルンで演奏されます。北欧の作曲家らしい音楽です。第2楽章「ヴィヴァーチェ」は軽やかな主題が流れます。第3楽章「モデラート」は流れるような主題がホルンとテューバで歌われます。美しいメロディです。第4楽章「モルト・アレグロ」は短いですが動きの速い主題が演奏されます。
 ポール・バスラーの「ホルンとテューバのためのケン・ビッツ」は3つの小品で構成されています。アフリカのケニアの印象を題材にしたものです。
 ワイルダーの「ホルン、テューバとピアノのための組曲第1番」は1958年の作品。第2番と共にアメリカのホルン奏者ジョン・バローズのために書かれています。第3楽章「ジャズ風に」、第4楽章「子守歌」、第5楽章「アラ・カッチャ」などワイルダー独特の作風で楽しい作品になっています。
 ロジャー・ケラウェイの「ホルン、テューバとピアノのためのオーシャンブリーズの踊り」はジャズ・ピアニストのケラウェイによる作品です。ジャズスタイルのピアノ伴奏に乗ってホルンとテューバが歌い踊るような楽しい作品です。思いのほか楽しいアルバムになっています。


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