アッテルベリ/ホルン協奏曲

ヨハネス=テオドール・ヴィーメス(2007)
CD(cpo 999 874−2)

アッテルベリ/協奏曲集
1.チェロ協奏曲ハ短調Op21
2.ホルン協奏曲イ短調Op28

  ニコライ・シュナイダー(チェロ)
  ヨハネス=テオドール・ヴィーメス(ホルン)
  アリ・ラシライネン指揮
ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団
  録音 2007年1月29日〜2月2日

 クルト・アッテルベリ(1887〜1974)はスウェーデンの作曲家でチェリストでした。このアルバムはチェロ協奏曲とホルン協奏曲を収録したものです。
 チェロ協奏曲は1918〜22年に書かれたものです。郷愁を感じさせる作品で第1楽章「アンダンテ・カンタービレ〜アレグロ」はチェロのソロで始まります。壮大な音楽で広大な草原を思わせる音楽が流れます。第2楽章「アダージョ」は抒情的な主題が朗々と歌われます。第3楽章「アレグロ」は北欧の寒々とした風景を感じさせる冒頭と重厚なカデンツァ、嵐の描写のような勢いのあるところなど全曲の中でもクライマックスのようです。この作品は録音が少ないのでなじみのない曲ではありますが、ロマンティックで魅力あふれる作品です。もっと演奏されてもよいと思います。
 ホルン協奏曲イ短調Op28はピアノを含む大きな編成で演奏され、壮大な北欧の自然を表現したような作品です。第1楽章「アレグロ・パテティコ」はヴィーメスのホルンが滑らかで力強く雄大な演奏です。第2楽章「アダージョ」は嘆くようなホルンの響きが印象的でヴィーメスの表現力の豊かさを感じます。ピアノの響きが絶妙です。第3楽章「アレグロ・モルト」は快活で勢いのある演奏です。ホルンは狩のホルンのようでもあり実に素晴らしい演奏です。コーダ前のテンポアップは見事です。この録音はハックルマン以来10年ぶりですが名演といってよいでしょう。ラシライネンのサポートも素晴らしい。


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