メシアン/恒星の呼び声
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CD(Organum classics Ogm 201018)
ホルンとオルガンのための音楽
1.サン=サーンス/アンダンテ(1854)
2.リード/デュ・プロフンディスOp71
3.メシアン/恒星の呼び声
〜「峡谷から星たちへ」より
4.ヨハンセン/日の出
5.リテーズ/ホルンとオルガンのための
トリプティーク(三連画)
6.サン=サーンス/交響曲第3番「オルガン付」より
アダージョ(松岡あさひ編)
7.クロル/ミサ・ムータOp55
8.ラヴェル/亡き王女のためのパヴァーヌ
(松岡あさひ編)
岸上 穣(ホルン)
大平 健介(オルガン)(1、2、4〜8)
録音 2019年6月
ドイツ・メミンゲン/聖マルティン教会
岸上 穣がドイツで録音したホルンとオルガンのための音楽です。
サン=サーンスの「アンダンテ」はオリジナル作品で、1854年に書かれたものです。貴重なホルンの作品です。録音が少ないだけに嬉しい録音です。教会に響き渡るホルンとオルガンが素晴らしいです。
ガードナー・リード(1913〜2005)の「デュ・プロフンディス(深き淵より)」はオルガンの長い前奏に始まって、オルガンが消えるとホルンが始まります。この作品はオルガンの響きとホルンの響きをたっぷり楽しめる作品と言ってよいでしょう。どん底から立ち上がるような作品で、後半の迫力が素晴らしいです。最後は静かに終わります。
オリヴィエ・メシアンの「恒星の呼び声」は「峡谷から星たちへ」の第6曲で独奏ホルンで演奏されます。様々のテクニック、奏法を必要とする曲ですが、岸上のホルンは実に素晴らしい演奏です。残響の大きさでエコーのように響くところは印象的です。
カイ・ヨハンセン(1961〜)の「日の出」はオルガン作品です。静かに始まり、やがて盛り上がってきます。素晴らしい響きが広がります。
ガストン・リテーズ(1909〜1991)の「ホルンとオルガンのためのトリプティーク(三連画)」は3つの楽章で構成されています。第1楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェの迫力は素晴らしいものです。ホルンはミュートも一部で使いますが、ほとんど開放の迫力ある響きが聴かれます。第2楽章:アンダンテはホルンの雄大な響きがオルガンと共に響き渡ります。第3楽章:ダンスは速めのテンポでホルンとオルガンが華やかに歌います。このリズミカルな楽章は素晴らしい演奏です。作品もよくできています。
サン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付」第1楽章よりアダージョは緩徐楽章にあたるところです。松岡あさひの編曲でオルガンとホルンで演奏します。ホルンによるこの美しい主題は何とも言えません。オリジナル作品のように聞こえてきます。
ベルンハルト・クロル(1920〜2013)の「ミサ・ムータ」はホルンとオルガンのための5つの小品です。クロルの代表作といっても良いでしょう。教会で演奏すると奥深い天国的な音楽に聞こえてきます。岸上のホルンが素晴らしい響きです。
ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」は原曲がピアノ作品ですがオーケストラ編曲があまりにも有名です。オルガン版は松岡あさひの編曲で、ホルンで主題が演奏されます。オルガンによる主題が続きますが、ホルンの存在感の大きな曲だけにこの演奏でもホルンは素晴らしい響きが聴かれます。
このアルバムはドイツの教会で録音された貴重なものです。中でもメシアンの「恒星の呼び声」は絶賛ものです。 |
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