R・シュトラウス/アンダンテ

エリック・ラスク(1990)
CD(Albany TROY1368)

エリック・ラスク/ナイト・ポエム
1.F・シュトラウス/ノクターンOp7
2.グラズノフ/夢 Op24
3.サン=サーンス/演奏会用小品Op94
4.グリエール/4つの小品
   1)ノクターンOp35−10
   2)間奏曲Op35−11
   3)悲しきワルツOp35−7
   4)ロマンスOp35−6
5.デュカス/ヴィラネル
6.ヴァン・エーショート/夜のポエム
7.シューマン/アダージョとアレグロOp70
8.R・シュトラウス/アンダンテ

  エリック・ラスク(ホルン)
   アンヌ・エパーソン(ピアノ)
   録音 1990年4月9〜11日

 エリック・ラスク26歳の時の録音でミュージカル・ヘリテージ・ソサエティに録音していたものです。オールバニ(Albany)からセットで発売されました。
  F・シュトラウスの「ノクターン」は1990年当時としては珍しい録音でしたが、この演奏は今聞いても素晴らしいもので滑らかなホルンが聞かれます。グラズノフの「夢」はロマンティックな作品で短い小品ですがエリックの表現力は見事なものです。
  サン=サーンスの「演奏会用小品」は強弱のメリハリをはっきりつけたもので、エリックの凄いところは後半の練習番号10のところで上昇音階のスラーをタンギングで吹いてしまうところです。驚きました。
  グリエールの「4つの小品」は「ノクターン」「間奏曲」「悲しきワルツ」「ロマンス」の順で演奏されています。いずれの曲も名作で、中でも「間奏曲」はメロディが美しいので度々演奏されます。エリックの演奏はスラーが大変きれいでうっとりします。「ロマンス」は「間奏曲」に良く似た雰囲気を持ちますがこの作品も名曲です。
  デュカスの「ヴィラネル」は遅めのテンポの前半をゆったりときれいに歌い上げています。なお自然倍音ではなくバルブを使っています。後半の速いテンポでは鮮やかなテクニックをみせています。テンポに変化をもたせた表現力豊かな演奏です。
  ヴァン・エーショートの「夜のポエム」はタイトルになっている作品です。1963年の作品で9分近いポエムは実にロマンティックです。後半のクライマックスはピアノの響きもいいものです。
  シューマンの「アダージョとアレグロ」は穏やかなアダージョのクレッシェンドが素晴らしい。アレグロでは鮮やかなタンギング、そして転調部分ではテンポを落としてコーダに入ります。かつてない変化に富んだ演奏です。
  R・シュトラウスの「アンダンテ」はオーケストラ伴奏で聞きたくなる名曲です。エリックの堂々とした演奏はアルバムの締めくくりにピッタリです。


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