フェルスター/ホルン協奏曲集

ホルン協奏曲第1番変ホ長調/フレデリック・フランセン(2021)
CD(Challenge Classics CC-72904)

バロック時代のホルン協奏曲集
1.フェルスター/ホルン協奏曲第1番変ホ長調
2.作者不詳(グラウン?)/ホルン協奏曲変ホ長調
3.グラウン/トリオ・ソナタ変ホ長調
4. 〃  /トリオ・ソナタ ニ長調
5.作者不詳/ホルン協奏曲変ホ長調
6.クヴァンツ/ホルン協奏曲第9番変ホ長調

 フレデリック・フランセン(ホルン)
 オランダ放送フィルハーモニーのメンバー
 録音 2021年6月3〜5日

 オランダのホルン奏者フレデリック・フランセンが録音したバロック時代のホルン協奏曲集です。
 フェルスター(1693〜1745)のホルン協奏曲第1番変ホ長調はバロック時代のホルン協奏曲の中でも有名な作品です。3つの楽章があります。第2楽章のアダージョは美しい主題が流れます。現代のフレンチホルンでは本当にきれいな響きです。第3楽章のアレグロはこれもきれいな演奏です。
 作者不詳のホルン協奏曲変ホ長調はグラウンの作かとも思える作品で、オリジナルはホ長調のようです。この作品はオーボエ・ダモーレとファゴットとのトリオですから、協奏曲というよりは、トリオ・ソナタのようです。4つの楽章で構成されています。タックウェルが録音したホルン協奏曲ニ長調とは別の作品です。
 カール・ハインリヒ・グラウン(1704-1759)のトリオ・ソナタ変ホ長調は原曲がニ長調ということですが、これはヴァイオリン、チェロとホルンのトリオ・ソナタです。3つの楽章で構成されています。第2楽章のアンダンテはフレンチホルンならではの美しい響きが素晴らしい演奏です。
 グラウンのトリオ・ソナタ ニ長調は原曲が協奏曲ニ長調ということですが、タックウェルが録音したホルン協奏曲ニ長調とは別の作品です。この作品もホルン、オーボエ・ダモーレとファゴットのトリオ・ソナタです。4つの楽章があります。美しい作品です。第4楽章のメヌエットは聞いていると楽しくなります。
 作者不詳のホルン協奏曲変ホ長調は3つの楽章で構成されています。この編成は2本のオーボエとチェロとハープシコードがバックになる室内楽の協奏曲です。
 クヴァンツ(1697-1773)のホルン協奏曲第9番変ホ長調はタックウェルが発掘していた協奏曲と同じです。ブックレットには番号の記載はありませんが、第9番です。3つの楽章からなり、大変美しい作品です。フランセンのホルンは明るく美しい響きの演奏で、素晴らしいものです。第3楽章のアレグロは見事な演奏です。


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