シューベルト/八重奏曲

アンドレイ・ジュスト(2023)

CD(INDESENCE CALLIOPE IC027)

シューベルト/八重奏曲ヘ長調Op166、D803
   〜2つのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、
    コントラバス、クラリネット、ホルンと
    ファゴットのための

 ベルリン・フィルハーモニー・アンサンブル
 ヴェンツェル・フックス(クラリネット)
 ベンツェ・ボガーニ(ファゴット)
 アンドレイ・ジュスト(ホルン)
 シモン・ロテュリエ(第1ヴァイオリン)
 アンジェロ・デ・レオ(第2ヴァイオリン)
 イグナツィ・ミェチニコフスキ(ヴィオラ)
 ブリュノ・ドルプレール(チェロ)
 ヤンネ・サクサラ(コントラバス)
  録音 2023年6月16〜18日
  ベルリン、プロテスタント・ニコデモ教会

 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーによるシューベルトの八重奏曲です。シューベルトの八重奏曲は演奏に1時間以上もかかる大曲で室内アンサンブルのための交響曲といえます。1824年に書かれており「未完成」と「ザ・グレート」の間になります。シューベルトはホルンを大切にした曲が多いのですが、この曲にも重要なメロディーを吹かせています。
 第1楽章は前奏のアダージョから厚く豊かな響きを出しています。続くアレグロでは整然としたアンサンブルが聞かれます。ヴァイオリンとクラリネットが素晴らしい響きで歌います。フックスのクラリネットが大変素晴らしいです。続くアンドレイ・ジュストのホルンは明るい響きが素晴らしいです。提示部のリピートもきれいな演奏です。展開部も緻密なアンサンブルで素晴らしい演奏です。クラリネットと弦楽の響きがきれいです。この楽章では同じ音型が楽器を変えて幾度も繰り返されます。再現部はボガーニのファゴットに始まって主題が各楽器に受け継がれながらジュストのホルンが高らかに歌われて終わります。
 第2楽章:アダージョはフックスのクラリネットで始まる穏やかな雰囲気が大変きれいです。ホールの響きが素晴らしいです。続くロテュリエのヴァイオリンとの絡みも素晴らしい響きです。木管のユニゾーンの美しい響きは格別です。中間部ではホルンのソロが明るく歌われますが、ヴァイオリンとの対話もまた大変素晴らしい響きです。弦楽とファゴットの響きも素晴らしいです。ホルンも明るく響きます。コーダのコントラバスのピツィカートは大変よく響きます。
 第3楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェは快活なスケルツォです。フックスのクラリネット、ジュストのホルンが良い響きを出しています。クラリネットとファゴットのデュオも大変よい響きを出しています。トリオの演奏もきれいな響きで、楽しいスケルツォです。ホルンの高音がよく響きます。
 第4楽章:アンダンテは主題と7つの変奏曲、シューベルトの歌劇「サラマンカの友人」から使われた主題に始まります。クラリネットとヴァイオリンが良い響きで演奏しています。第1変奏はヴァイオリンとクラリネットが歌います。後半のファゴットとホルンの絡みもきれいです。第2変奏は勢いもあって良い響きを出しています。第3変奏はジュストのホルンが大変よい響きです。ファゴットとヴァイオリンもきれいに響きます。後半のホルンは素晴らしい響きです。続くチェロの第4変奏もまた良い響きを出しています。クラリネットも良い響きです。第5変奏は勢いがあります。ヴィオラがよく響きます。第6変奏は穏やかにクラリネットと弦楽が素晴らしい響きを奏でます。第7変奏は速めのテンポで管楽器の響きが素晴らしい。弦楽の響きも素晴らしいです。
 第5楽章:メヌエットはこの曲の中でも最も美しいといえる楽章です。クラリネットの美しい主題が流麗に歌われ弦楽器、ホルンに受け継がれていきます。クラリネット、ファゴット、弦楽器のユニゾーンの美しい響きもあって、優雅なメヌエットです。ホルンとファゴットの響きがここでも素晴らしいです。
 第6楽章:アンダンテ・モルト〜アレグロはシューベルトの音楽の美しさがあります。劇的な響きの前奏は緊張感のある演奏です。続くアレグロは見事な演奏です。クラリネットの細かいフレーズの演奏は素晴らしいです。ホルンもきれいに響きます。まさに小さなオーケストラのようで素晴らしいアンサンブルです。これは素晴らしい演奏です。
演奏時間61分01秒。


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