クルフト/ホルン・ソナタ

ルイ=ピエール・ベルジュロン(2022)

CD(ATMA Classique ACD2 2864)

ブラヴーラ〜ナチュラルホルンとピアノの為の作品集
1.リギーニ/ホルンとピアノの為の二重奏曲ニ長調
2.ポッター/ホルンとピアノのための
      ブラヴーラ・ソナタ変ホ長調Op.13
3.ベートーヴェン/ホルンとピアノのための
           ソナタ ヘ長調Op.17
4.ジュスマイヤー/ホルンとピアノのためのソナタ
    変ホ長調(ヘルマン・ユーリセン補筆完成版)
5.クルフト/ホルンとピアノのためのソナタ ホ長調

 ルイ=ピエール・ベルジュロン(ナチュラルホルン)
 メーガン・ミラッツ(フォルテピアノ)
  録音 2022年10月12〜14日
   ケベック、ミラベル、サン・ブノワ教会

 ルイ=ピエール・ベルジュロンはカナダのナチュラルホルン奏者です。ベートーヴェンのソナタを中心として同時代のホルン作品を収録しています。ミラッツのピアノも古楽器のフォルテピアノです。
 ヴィンチェンツォ・リギーニ(1756-1812)の「ホルンとピアノのための二重奏曲」は1780年の作品です。ベルジュロンのナチュラルホルンはきれいな演奏です。この作品は倍音が多いようで、ゲシュトップ音は少ないようです。ピアノもきれいな演奏です。
 チプリアーニ・ポッター(1792-1871)の「ホルンとピアノのためのブラヴーラ・ソナタ」は1824年の作品です。大曲ですが単一楽章になっています。タイトルになっている作品です。主題と5つの変奏曲になっています。冒頭の主題はきれいな主題です。ホルンの美しい響きが素晴らしいです。第1変奏はきれいな響きです。力強い演奏にもなります。第2変奏はアレグロで力強い響きです。これもきれいな演奏です。ピアノもよい響きです。第3変奏はアンダンテ・コン・モトでホルンは穏やかに歌います。やがて細やかな主題はゲシュトップ音が入って。ここもきれいな演奏です。ピアノも良い響きです。第4変奏はアダージョ・ソステヌートで穏やかにホルンが歌います。ストップ音がよく響きます。第5変奏もアダージョでホルンがきれいに響きます。そして最後にフィナーレとしてアレグレット、アンダンテからプレストまで華麗なる演奏になります。
 ベートーヴェン(1770-1827)の「ホルンとピアノのためのソナタ」は1800年の作品です。第1楽章はホルンの素晴らしい響きに始まります。ゲシュトップ音が入っても力強い響きです。ベルジュロンのナチュラルホルンはきれいな演奏です。提示部のリピートがあります。ここでは装飾音や個性あふれる奏法もあります。展開部から再現部は素晴らしい演奏です。第2楽章はゲシュトップ音が入りますがきれいな演奏です。第3楽章はホルンの快適な演奏になります。ピアノもきれいに響きます。ここでもゲシュトップ音は多いですが演奏は素晴らしいです。後半にはカデンツァも入れています。大変素晴らしい演奏です。
 フランツ・クサヴァー・ジュスマイヤー(1779-1818)の「ホルンとピアノのためのソナタ」は18世紀末に書かれた作品です。これをヘルマン・ユーリセンが補筆完成したものを演奏しています。大変きれいな作品です。ホルンもピアノも素晴らしい演奏です。

 ニコラウス・フライヘル・フォン・クルフト(1779-1818)の「ホルンとピアノのためのソナタ」は1814年の作品です。第1楽章冒頭のピアノの快い響きと共にホルンが入ってきます。美しい作品です。ベルジュロンのホルンの響きもきれいです。楽しそうな演奏です。ピアノも良い響きです。第2楽章のアンダンテ・エスプレシーヴォはピアノに始まって、ホルンの主題が哀愁的です。ホルンの響きが自然で大変きれいです。第3楽章のロンドは「アラ・ポラッカ」です。ポロネーズ風の主題をホルンが軽快に演奏しています。楽しそうです。ピアノも良い響きです。これも素晴らしい演奏です。


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