R・シュトラウス/アルプホルン

エティエンヌ・クタジャル(2007)
CD(divine art dda25020)

ファンタジー/ホルンのための音楽
1.シューマン/アダージョとアレグロOp70
2.ダマーズ/ホルンとハープのための
         アスペクツ(表情)
3.マックスウェル・デイヴィ−ス/
       シー・イーグル(海鷲)
4.R・シュトラウス/アルプホルン
5.プーランク/ホルンとピアノのためのエレジー
6.カミレッリ/ホルンとピアノのための幻想ソナタ
7.フォーレ/パヴァーヌ(クタジャル編)
 エティエンヌ・クタジャル(ホルン)(1〜7)
 ジョン・リード(ピアノ)(1、4〜6)
 クララ・モウリツ(メゾソプラノ)(4)
 アン・マリー・カミッレリ・ポデスタ(ハープ)(2&7)
  録音 2007年1月9&10日

 クタジャルは1983年イタリアの隣りマルタ生まれのホルン奏者です。10歳でホルンを吹き始め18歳にはマルタ国立管弦楽団の3番ホルンになります。ロンドンのロイヤル・アカデミーでトンプソン、ワトキンス、クラークに学んでおり、2006年からBBCスコットランド響の3番ホルンを担当しています。
 クタジャルのホルンはイギリスのホルン奏者のような音色で、シューマンのアダージョとアレグロはまろやかなそして力強さを兼ね備えたきれいな響きで演奏しています。高音から低音まで実に安定した演奏です。
 ダマーズのAspects(姿または表情)は1988年の作品で5つの楽章からできています。ホルンを表情豊かな楽器として扱った素晴らしい作品。現代の作品でありながら19世紀の作品のように感じられる名作です。
 デイヴィ−スのシー・イーグルは1982年にワトキンスのために作曲されたソロ・ホルンのための作品。あらゆる技法を駆使して演奏する難曲です。アダージョ、レント、プレスト・モルトの3つの楽章からなる曲です。堂々とした演奏は23〜4歳とは思えないベテランのようです。
 アルプホルンはアルペンホルンをイメージした表情豊かなホルンがとても印象的です。クララ・モウリツのメゾソプラノは太い声で響きます。
 プーランクのエレジーは冒頭の音型の強奏が凄いです。アクセントが強烈で、この曲の演奏の中でも印象に残る1枚になりました。
 カミレッリのホルンとピアノのための幻想ソナタは同郷の作曲家カミレッリがクタジャルのために2003年に作曲しています。モデラート、リベロ、アレグロ・コン・ブリオの3つの楽章からできています。演奏はかなり難しい曲で、これも技巧を要する曲です。
 最後のフォーレのパヴァーヌは原曲は管弦楽のための作品です。合唱とオーケストラまたはピアノの作品としても演奏されます。ここではクタジャルがホルンとハープのためにアレンジしたものを演奏しています。幻想的な曲になっています。


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