グラズノフのホルン作品

夢、セレナード&牧歌/マリー=ルイーズ・ノイネッカー(1993)
CD(KOCH SCHWANN 3−1357−2)

ロシアのホルン協奏曲集
1.グリエール/ホルン協奏曲変ロ長調
2.  〃   /ホルンとピアノの為の4つの小品
3.グラズノフ/夢Op24
4.  〃   /セレナードOp11−2
5.  〃   /牧歌
6.シェバーリン/コンチェルティーノOp14−2

  マリー=ルイーズ・ノイネッカー(ホルン)
  パウル・リヴィニウス(ピアノ)(2)
  ウェルナー・アンドレアス・アルベルト指揮
     バンベルク交響楽団
  録音 1992年3月4日〜7日(1)
      1993年6月6日(2)
      1993年6月29日&30日(3〜6)

 このアルバムはロシアのホルン協奏曲とホルン作品を集めたもので、珍しいシェバーリンのコンチェルティーノが収録されています。
  グリエールはホルン協奏曲と4つの小品が演奏されています。同じアルバムで2つが聞かれるのはノイネッカーだけです。「ホルン協奏曲」の演奏は完璧でうますぎるほどです。息もつけないような難曲ですが実になめらかに吹きまくっています。カンタービレの美しさも早いフレーズのうまさも見事です。第1楽章の長いカデンツァは聞き物です。第2楽章のカンタービレはうっとりするような美しさがあります。第3楽章も息継ぎの難しい長い主題が続きますがノイネッカーのホルンはよどみなく素晴らしい演奏が聴かれます。コーダは圧巻。
  グリエールの「ホルンとピアノの為の4つの小品」は「ロマンス」の美しさ、「悲しきワルツ」の哀愁的な響き、「間奏曲」の豊かな表情、「ノクターン」では表現力のうまさが光ります。
  グラズノフの「夢」はピアノ版と小オーケストラ版があり、ほとんどの録音がピアノ版ですが、ノイネッカーはオーケストラ版の美しい演奏を録音しました。
  グラズノフの「ホルンと弦楽のためのセレナード」は4分足らずの小品ですが録音は少なく、ノイネッカーが3曲ともに録音してくれたことに感謝したいです。大変美しい作品で親しみやすいメロディが流れます。
  グラズノフの「牧歌」もホルンと弦楽のための作品で弦楽四重奏の伴奏でも演奏されます。やはり弦楽合奏のほうが美しさは際立っています。
  シェバーリンのコンチェルティーノはよくできた曲です。第1楽章は弦楽の弱奏から始まりますが、主部に入ると現代的な響きのホルン協奏曲になります。打楽器にシロフォンを使っているのがロシアの作曲家らしいところです。第3楽章はリズムが特徴的です。ミュート付のトランペットやパーカッションの響きはショスタコーヴィチの音楽を思わせますが、ホルンの明るい響きと楽しそうなメロディは親しみやすく何度聴いてもあきません。


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