バンクスのホルン作品

ホルン協奏曲/バリー・タックェル(1973〜74)
CD(Lyrita SRCD.335)

タックェル/イギリスのホルン作品集
1.ホディノット/ホルン協奏曲Op65(1969)
2.サール/ホルンと弦楽のためのオーバード
            Op28(1955)
3.バンクス/ホルン協奏曲(1965)
4.モー/2本のホルンと弦楽のためのソナタ(1967)
  バリー・タックェル(ホルン)(1〜3)
  アラン・シヴィル(ホルン)(4)
  イアン・ハーパー(ホルン)(4)
  アンドリュー・デイヴィス指揮
   ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(1)
  ノーマン・デル・マー指揮(2〜4)
   ニュー・フィルハーモニア管弦楽団(2&3)
   イギリス室内管弦楽団(4)
   録音 1973年3月(1)
       1973〜74年(2&3)
       1971年(4)

 タックウェルに献呈されたドン・バンクスのホルン協奏曲が復刻されました。ホディノットのホルン協奏曲はDECCAからCD化されていました。サールのオーバード(暁の歌)は1955年にデニス・ブレインによって初演された曲です。
 ホディノットのホルン協奏曲は3楽章からできており、60年代の前衛的な音楽に近いものです。しかしながらホルンパートは実に明瞭な音楽でまさにタックウェルのために書かれた曲といえます。第3楽章のカデンツァが素晴らしいです。
 ハンフリー・サールの「オーバード」は暁の音楽とは思えないほど激しさのある曲です。冒頭こそ夜明け前の雰囲気は感じますが中間部は夜が明けて太陽が昇ってしまったような激しさがあります。曲そのものは曲名を抜きにしてよくできています。
 ドン・バンクスのホルン協奏曲は8つの部分からできており続けて演奏されます。20分あまりの曲で、3管編成、ハープ、ピアノまたはチェレスタを含む大編成です。打楽器が時には大活躍します。ホルンは気持ちよさそうに吹いています。
 ニコラス・モーの作品はシヴィルとハーパーのホルンですが、この22分ほどのソナタは1967年の作品ながら、実にロマンティックであり2つのホルンの絡み合いがきれいです。他に録音がないだけにこの復活は喜びたいです。2人のホルンの音色はよく似ており、とけ合ったときの響きはきれいです。


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