ニールセンのホルン作品

カント・セリオーソ、軽快なセレナード&五重奏曲/ヴィダール・オルセン(1988)
CD(BIS BIS-CD-428)
 
ニールセン/管楽器のための室内楽作品集
1.クラリネットとピアノのための幻想曲
2.オーボエとピアノのための幻想的小品Op2
3.ホルンとピアノのための「カント・セリオーソ」
4.軽快なセレナード
5.劇音楽「母」よりの3つの小品
  1)霧が晴れていく(フルートとハープ)
  2)子供たちの戯れ(フルート・ソロ)
  3)信仰と希望の戯れ(フルートとヴィオラ)
6.管楽器のための五重奏曲Op43
7.アレグレット〜2つのリコーダーのための

  ベルゲン木管五重奏団
  グロ・サンドヴィーク(フルート)(5&6)
      〃    (リコーダー)(7)
  スタイナー・ハンネヴォルド(オーボエ)(2&6)
  ラルス・クリスチャン・ホルム・ブリニルドセン
  (クラリネット)(1、4&5)
  ヴィダール・オルセン(ホルン)(3、4&6)
  ペル・ハンネヴォルド(ファゴット)(4&6)
      〃   (リコーダー)(7)
  レイフ・オヴェ・アンズネス(ピアノ)(1〜3)
  トゥーリド・ニエイスキ(ハープ)(5−1)
  ラルス・アンデルス・トムテル(ヴィオラ)(5−3)
  サリー・ギュンター(チェロ)(4)
  トルビョルン・エイデ(コントラバス)(4)
   録音1988年11月20&25日
      ベルゲン/グリーグ・ホール
     
 BISの企画でニールセンの「管楽器のための室内楽曲」全曲録音です。中でもフルートのための3つの作品を録音したアルバムはほとんどなく大変貴重なアルバムです。
 「クラリネットとピアノのための幻想曲」は4分ほどの小品。1881年ニールセン16歳の時の作品で大変ロマンティックな作品です。「オーボエとピアノのための幻想的小品」は1889年23歳の作品で、「ロマンス」と「ユーモレスク」の2つの小品になります。「ロマンス」はシューマンの作品を思わせる美しい作品で「ユーモレスク」はユーモアを感じさせる軽快な曲です。
 「カント・セリオーソ(厳粛な歌)」はホルンとピアノのための作品でホルンの重要なレパートリーのひとつです。オルセンのタンギングのうまさが厳粛な雰囲気を感じさせます。「軽快なセレナード」はクラリネット、ファゴット、ホルン、チェロとコントラバスの五重奏です。中低音楽器による編成で華やかではありませんが軽やかな演奏で楽しくなります。
 劇音楽「母」よりの3つの小品はフルートのための作品です。フルートとハープによる「霧が晴れていく」は単独で演奏される名曲です。「子供たちの戯れ」は無伴奏フルートのための作品。アレグレットで穏やかな美しい曲です。「信仰と希望の戯れ」はフルートとヴィオラのための作品。ヴィオラの作品としても珍しくこのデュオの美しさはまさに絶品です。
 管楽器のための五重奏曲はニールセンの室内楽の代表的な作品といえます。フルート、ホルン、クラリネット、オーボエ、ファゴットの5つの楽器が作り出す響きの素晴らしさは他では聞かれそうにもありません。そこには2本の楽器がユニゾーンで吹く絶妙な響きも聞き逃せないでしょう。このベルゲン木管五重奏団の作り出す響きは完璧で、ニールセンの音楽を改めて見直すことになるでしょう。
 最後の2つのリコーダーのためのアレグレットは38秒という短い小品でニールセンが亡くなる年に書かれたものです。録音自体珍しいと思われます。


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