その他のホルン作品

ホヴァネス/ホルン協奏曲「アルティック」、ホルン協奏曲第3番
CD(CENTAUR CRC2872)

アラン・ホヴァネスの作品集
1.ホルン協奏曲「アルティック」Op78
2.詩篇とフーガ第2番〜4本のホルンのための
3.ホルン協奏曲第3番「ディラン」Op94
4.無伴奏ヴィオラのための「Chahagir」Op56−1
5.声楽、ホルンと弦楽オーケストラのための
        カンタータ「天使の歌」Op19
 ロビン・ダウアー(ホルン)(1〜3&5)
 スザンヌ・バニスター(ソプラノ)(5)
 カレン・グリーブリング(ヴィオラ)(4)
 カレン・グリーブリング指揮
  ヘンドリックス大学室内管弦楽団
  録音 2006年5月

 アラン・ホヴァネス(1911〜2000)はアメリカの作曲家、アルメニア人の父とスコットランド人の母との間に生まれ、妻はソプラノ歌手藤原ひなこです。ホヴァネスは多作家で交響曲は67曲残しました。
 ロビン・ダウアーはアーカンソー交響楽団のメンバーでアーカンソー国立大学の助教です。ホヴァネスの作品は独特です。「詩篇とフーガ」と無伴奏ヴィオラの作品以外はホルンと弦楽のための作品です。
 ホルン協奏曲「アルティック」の「アルテッィク」とはアルメニアの地名です。思いがあったのでしょう。この協奏曲は8つの短い楽章からできています。音域は広くありませんので吹きやすい曲かもしれませんがロングトーンが続く楽章、メロディの長い楽章が続きます。聞いていると牧歌のように穏やかな音楽です。第6楽章「カノン」が速いテンポで演奏されるくらいで、あとはゆったりした音楽が続きます。演奏者は気持ちよいでしょう。第8楽章ではやや高い音域があります。
 「詩篇とフーガ」は4本のホルンのための2つの小品ですが演奏者のクレジットがありません。ロビン・ダウアーの多重録音かもしれません。音色がほとんど同じです。演奏は素晴らしいものです。
 ホルン協奏曲第3番は協奏曲第3番「ディラン」とクレジットされていますが、ホルン協奏曲です。作風も「アルティック」と同様です。穏やかな音楽が続きます。第3楽章「グローリア」はアレグロで少し速いテンポになります。
 無伴奏ヴィオラのための「Chahagir」は指揮をしているカレン・グリーブリングのヴィオラ独奏です。穏やかな曲で間奏曲のように挿入されています。
 最後のカンタータ「天使の歌」はソプラノ、ホルンと弦楽のための作品ですが、6つの小品からなり声楽が入るのは第2曲、第3曲、第4曲と第6曲で第4曲だけはホルンが入りません。このカンタータもホルン協奏曲と思ってよいかもしれません。
 このアルバムは何度聞いてもよいでしょう。癒されます。現代作品としては珍しいほど19世紀の音楽を思わせます。


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