シューベルト/八重奏曲

ワルデマール・シエベル(1961)
CD(BERLIN Classics 0030322BC)

 シューベルト/八重奏曲ヘ長調Op166、D803
   〜2つのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、
    コントラバス、クラリネット、ホルンと
    ファゴットのための

  ゲルハルト・ボッセ(ヴァイオリン)
  カール・ズスケ(ヴァイオリン)
  ディートマル・ハルマン(ヴィオラ)
  フリーデマン・エルベン(チェロ)
  コンラッド・シーバッハ(コントラバス)
  ジークフリート・キーベラー(クラリネット)
  ワルデマール・シエベル(ホルン)
  ウェルナー・セルトマン(ファゴット)
  録音1960〜61年

 このアルバムはドイツの演奏家によるシューベルトです。指揮者になる前のボッセのヴァイオリン、ゲヴァントハウスのカール・ズスケが第2ヴァイオリンを弾いています。シューベルトの八重奏曲は演奏に1時間近くかかるる大曲で室内アンサンブルのための交響曲といえます。1824年に書かれており「未完成」と「ザ・グレート」の間になります。シューベルトはホルンを大切にした曲が多いのですが、この曲にも重要なメロディーを吹かせています。
 第1楽章は前奏のアダージョから緊張感のある演奏です。続くアレグロでは整然としたアンサンブルが聞かれます。ヴァイオリンとクラネットが良い響きです。ホールの響きは大変きれいです。続くシエベルのホルンはきれいなレガートで演奏しています。この楽章では同じ音型が楽器を変えてなんども繰り返されます。再現部はファゴットに始まって主題が各楽器に受け継がれながらホルンのソロで終わります。第2楽章:アダージョはクラリネットで始まる穏やかな雰囲気がきれいです。ユニゾーンの美しさは素晴らしいものです。中間部ではホルンソロが歌われますが、ヴァイオリンとの対話がまたきれいです。コントラバスのピツィカートが印象的です。第3楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェは快活なスケルツォです。弦楽主導ながらもクラリネット、ファゴットの響きもまた素晴らしい。トリオがよい響きです。
 第4楽章:アンダンテは主題と7つの変奏曲、シューベルトの歌劇「サラマンカの友人」から使われた主題に始まります。クラリネットとヴァイオリンの美音が素晴らしい響きです。ファゴットとホルンの絡みも絶妙です。ホルンの変奏にはファゴットがきれいに絡みます。続くチェロの変奏もまた聞きものです。変化に富んだ7つの変奏曲は名作といえましょう。第5楽章:メヌエットはこの曲の中でも最も美しいといえる楽章です。ヴァイオリンそしてクラリネットの美しい主題が転調しながら歌われ弦楽器、ホルンに受け継がれていきます。優雅な響きのメヌエットです。第6楽章:アンダンテ・モルト〜アレグロはシューベルトの音楽の美しさがあります。劇的な前奏に続くアレグロは小さなオーケストラのようで、素晴らしいアンサンブルです。演奏時間58分06秒。


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