グラズノフのホルン作品

夢/アレクセイ・セロフ(2010)
CD(Waner Classics 2564 67946-5)2枚組

グラズノフ/協奏曲全集
CD1
1.ヴァイオリン協奏曲イ短調Op82
2.吟遊詩人の歌Op71
  〜チェロと管弦楽のための
3.ピアノ協奏曲第2番ロ長調Op100
4.アルト・サクソフォン協奏曲変ホ長調Op109
CD2
5.ピアノ協奏曲第1番ヘ短調Op92
6.夢 Op24〜ホルンと管弦楽のための
7.コンチェルト・バラータハ長調Op108
   〜チェロと管弦楽のための
8.瞑想曲ニ長調Op32
  〜ヴァイオリンと管弦楽のための

  レイチェル・バートン・パイン(ヴァイオリン)(1&8)
  ウェン=シン・ヤン(チェロ)(2&7)
  アレクサンダー・ロマノフスキー(ピアノ)(3&5)
  マルク・シーソン(アルト・サクソフォン)(4)
  アレクセイ・セロフ(ホルン)(6)
  ホセ・セレブリエール指揮
   ロシア・ナショナル管弦楽団
  録音 2010年4月3〜7日

 ホセ・セレブリエールがグラズノフの交響曲と共に協奏曲の全曲を録音したもので全集は珍しいでしょう。2つのピアノ協奏曲、2つのヴァイオリン作品、2つのチェロ作品だけでなくホルンの「夢」とサクソフォン協奏曲まで録音した完璧な全集です。
 ヴァイオリン協奏曲はハイフェッツやミルシテインによって紹介された名曲です。ロマン的な主題が美しい作品です。レイチェル・バートン・パインは事故で足に大怪我をしたそうですが、彼女が弾くヴァイオリンの響きの妖艶なことはなんともういえない魅力があります。
 チェロと管弦楽のための吟遊詩人の歌はチェロの作品の中でも比較的演奏される曲で、そのロマンティックな主題の美しさは絶品。
 ピアノ協奏曲は2曲作曲されていますが、録音は少なく、また演奏されることもほとんどないため秘曲中の秘曲といえます。第2番は実際に聞いてみますと物語を思わせるほどよくできた作品で、ロシア国民楽派の流れを受け継ぐ作曲家ですがチャイコフスキーのようにきらめくピアノは西洋的です。単一楽章ですが4つの部分に分かれています。
 アルト・サクソフォン協奏曲は協奏曲自体作品は少ないと思われますが、1934年の作曲当時は珍しい作品でした。LPの録音がありましたので聞く機会がありましたが改めて聞きますと大変魅力的な作品です。
 ピアノ協奏曲第1番ヘ短調は1911年の作品。2つの楽章で構成され、第1楽章はアレグロ・モデラート、第2楽章は主題と9つの変奏曲になっています。風変わりな作品ですが、グラズノフの作風がオーケストラのそこここに現れた名作といえます。
 ホルンと管弦楽のための「夢」は幻想的な作品でピアノ版の録音が多く、管弦楽版は他にノイネッカーの録音があるくらいです。オーケストラ伴奏で聞くとまさに幻想的です。
 コンチェルト・バラータハ長調はチェロと管弦楽のための作品でチェロ協奏曲といっても良いくらいです。4つの楽章で構成されていて、切れ目なく演奏されます。チェロの魅力を存分に堪能できる名作です。
 最後の瞑想曲ニ長調はヴァイオリンと管弦楽のための小品でアンコールとして調度良いかもしれません。多くの録音があり親しまれている名曲です。
 このアルバムは曲順もよく全曲通して聞いても楽しくなることでしょう。ピアノのアレクサンダー・ロマノフスキーやヴァイオリンのレイチェル・バートン・パインなど若手演奏家の名演奏として絶賛したいアルバムです。


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