デュヴェルノワ/ホルン作品

ノクターン第2番&第3番/トゥーニス・ファン・デァ・ズヴァールト(2011)
CD(ETCETERA KTC-1430)
 
DEUX A DEUX
1.デュヴェルノワ&ナデルマン/
          ノクターン第3番ハ短調
2.ナデルマン/幻想曲(ファンタジア)Op64−1 
3.  〃  /幻想曲(ファンタジア)Op64−2
4.  〃  /ロッシーニのロマンスの主題による
        幻想曲と変奏曲
5.  〃  /幻想曲(ファンタジア)Op64−3
6.長澤真澄&ズヴァールト/
      幻想曲「DEUX A DEUX(ドゥ・ア・ドゥ)」
7.デュヴェルノワ/ノクターン第2番変ホ長調

  トゥーニス・ファン・デァ・ズヴァールト
    (ナチュラルホルン)(1〜3&5〜7)
  長澤 真澄(シングル・アクション・ハープ)(1〜7)
   録音 2011年2月
  
 注目のアルバムです。ズヴァールトがナチュラルホルンで吹くホルンとハープのデュオというのは十分ありえますが、ここで注目すべきはナデルマンの作品が演奏されていることです。また長澤真澄の演奏するハープは19世紀初めに製作されたナデルマン製のシングル・アクション・ハープです。現代のダブル・アクション・ハープよりも操作が難しいそうです。音色は美しく、4のロッシーニの「オテロのロマンス」の主題による幻想曲と変奏曲ではハープ独奏の演奏がたっぷり聞かれます。
 1曲目の夜想曲第3番は世界初録音と思われます。デュヴェルノワの夜想曲は第2番が有名ですが第3番はナデルマンとの共作になっています。ナデルマンはハープ奏者でマリー・アントワネットのハープを製作したそうです。この二人の作品はロマンティックでフランス王朝時代の響きがあります。
 ナデルマンのホルンとハープのための幻想曲は3曲とも2つの部分からできています。第1番Op64−1の第2楽章は狩のロンドになっています。ズヴァールトのホルンが軽やかで大変見事な演奏です。第2番Op64−2では第2楽章にドゥシェックの作品が使われています。また第3番Op64−3では第2楽章のロンドが楽しそうです。
 長澤真澄とズヴァールトの共作による幻想曲「DEUX A DEUX(ドゥ・ア・ドゥ)」は現代の演奏家による作品ですが、それをオリジナル楽器で演奏する発想が素晴らしい。ナチュラルホルンの可能性を最大に引き出した手法による小品です。
 デュヴェルノワの夜想曲第2番は3つの楽章からできています。実にやさしい響きのノクターンです。バルボトゥの明るい響きのホルンは20世紀になってから聞かれる音ですが、もともとはこのズヴァールトのようにナチュラルホルンのための作品でしたのでこれは斬新な響きです。ファンでなくとも楽しめるでしょう。


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