R・シュトラウス/アンダンテ

ダヴィド・アロンソ(2014)
CD(inde SENS INDE064)

ホルンとピアノのための作品集
1.ベートーヴェン/ホルン・ソナタOp17 
2.シューマン/アダージョとアレグロOp70
3.R・シュトラウス/アンダンテ
4.デュカス/ヴィラネル
5.ウジェーヌ・ボザ/山の頂で
6.スクリャービン/ロマンス
7.ヒンデミット/ホルン・ソナタ ヘ長調(1939)

  ダヴィド・アロンソ(ホルン)
  エレーヌ・ティスマン(ピアノ) 
   録音 2014年1月

  スペインのホルン奏者ダヴィド・アロンソのアルバムで古典のベートーヴェンから20世紀のヒンデミットまでの作品を演奏しています。 彼は2001年のミュンヘン国際コンクールで1位になった経歴をもつホルン奏者でその卓越した腕前を披露しています。
  ベートーヴェンの「ホルン・ソナタ」は堅いイメージではなく豊かな表現力でむしろロマン的です。第3楽章のコーダで珍しく短いカデンツァを挿入しています。
  シューマンの「アダージョとアレグロ」は非常にロマンティックなアダージョで、穏やかで魅力的なホルンです。アレグロは明るく輝きのある演奏、しかも滑らかなホルンが素晴らしい。
  リヒャルト・シュトラウスの「アンダンテ」は1888年の作品でホルン・ソナタにする予定がアンダンテだけになってしまったようです。このアンダンテだけでも完成された小品としてたびたび演奏されます。
  デュカスの「ヴィラネル」はホルンの定番曲ですが、前半は自然倍音だけで演奏の指定があります。その自然倍音だけで演奏した録音は意外と少ないもですが、アロンソは見事に自然倍音だけで演奏していてストップ音もきれいに出しています。後半は見事なホルンでこれは名演といってよいでしょう。
  ボザの「山の頂で」は「森にて」ほど演奏はされませんがボザらしいホルンの主題が流れます。高音域から低音域まで使いながら「頂上」から見る景色を表現したものでしょう。アロンソの滑らかな演奏は聴き応えがあります。速いフレーズの演奏は見事です。 
  スクリャービンの「ロマンス」はホルンのためのオリジナル作品です。美しい小品でアロンソの豊かな表現力の見せ所です。
  ヒンデミットの「ホルン・ソナタ」を最後に収録しています。この重い曲を軽く吹いているようにも感じます。ホルンの音色がきれいでなおかつノンビブラートでよく響かせています。第3楽章のピアノと対等に演奏するところは凄いとしかいえそうもありません。ティルシャル以来の名演と言ってよいでしょう。ピアノにも拍手。


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