R・シュトラウス/アンダンテ

ティルマン・ヘフス(2018)
CD(GENUIN GEN18615)

ドイツ音楽コンクール優勝記念アルバム
1.ヴィネリ/ホルン・ソナタ Op7
2.サロネン/コンサート・エチュード
3.R・シュトラウス/アンダンテ
4.ヴィトマン/ホルン独奏のためのエア
5.F・シュトラウス/海辺での感慨Op12
6.ヒンデミット/ホルン・ソナタ ヘ長調

 ティルマン・ヘフス(ホルン)
 仁上亜希子(ピアノ)(1、3、5&6)
 録音 2018年2月8〜11日

 ティルマン・ヘフス(1996〜)ハンブルクの生まれのドイツのホルン奏者。2017年のドイツ音楽コンクールで優勝しています。
 ジェーン・ヴィネリはベルギー出身の作曲家、ホルン・ソナタは1943年の作品です。3つの楽章で構成されていて、第1楽章アレグロから大変元気の良いホルンが響きます。ゲシュトップも使うようで音色の面白さがあります。第2楽章のレント・マ・ノン・トロッポはゆったりとした主題が歌われます。ピアノの響きもきれいです。第3楽章:アレグロ・ベン・モデラートは軽快なホルンときらめくピアノが素晴らしい演奏です。
 エサ・ペッカ・サロネンの「コンサート・エチュード」は無伴奏ホルンの作品です。この難曲を21歳のヘフスが表現力豊かにホルンを吹くとは驚きです。音量も豊かでテクニックも抜群です。絶賛したいほどの演奏です。
 リヒャルト・シュトラウスの「ホルンとピアノのためのアンダンテ」は24歳の作でホルン・ソナタにする予定だったようです。ヘフスの演奏は優雅にそして堂々とこの作品を演奏しています。ピアノもきれいです。この2人の素晴らしい演奏は聴きごたえ十分です。
 イェルク・ヴィトマン(1973〜)の「ホルン独奏のためのエア」は2005年の作品。多彩な奏法でホルンを吹いています。歌というよりも「エア」を吹き出すといったほうがよいほどの作品です。ヘフスの演奏には脱帽です。大きな音楽になっています。
 フランツ・シュトラウス(1822〜1905)の「海辺での感慨(ロマンス)」は短いロマンスです。感傷的な主題が歌われます。ヘフスの演奏は若い青年のものとは思えないほど表現力があります。ホルンで歌うのが大変うまいです。
 パウル・ヒンデミット(1895〜1963)の「ホルン・ソナタ ヘ長調」は1939年の作品。第1楽章から滑らかなホルンです。これほどきれいな演奏もなかなか無いと思うほど力まず、流麗なホルンです。ピアノとホルンが作り出すヒンデミットの傑作です。2人の演奏に喝采を贈りたいです。第2楽章のホルンも素晴らしい響き、第3楽章も力まず美しい響きのホルンとピアノが響きます。巨匠たちも顔負けの名演奏です。また素晴らしいホルン奏者のデビューです。


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