その他のホルン作品2

プレイエル/フルート、オーボエ、ホルン、ファゴットと管弦楽のための協奏交響曲
CD(cpo 777 606-2)2枚組

プレイエル/協奏交響曲集
CD:1
.フルート、オーボエ、ホルン、ファゴットと
   管弦楽のための協奏交響曲ヘ長調 B115
2.オーボエ、ファゴットと管弦楽のための
        協奏交響曲変ロ長調 B112/1289
CD:2
3.フルート、オーボエ、ファゴット、2つのヴァイオリン
  ヴィオラ、チェロ、コントラバスと管弦楽のための
             協奏交響曲ヘ長調 B113
4.ファゴット協奏曲変ロ長調 B107

 ハンノ・デンナーベック(ファゴット)(1〜4)
 ギャビー・パス=ファン・リエット(フルート)(1&3)
 アン・アンゲラー(オーボエ)(1〜3)
 ウォルフガング・ヴィフラー(ホルン)(1)
 ミラ・ゲオルギエワ(ヴァイオリン)(3)
 ミヒャエル・サルム(ヴァイオリン)(3)
 ギュンター・トイフェル(ヴィオラ)(3)
 マヌエル・フィッシャー=ディースカウ(チェロ)(3)
 コンスタンツェ・ブレンナー(コントラバス)(3)
 ヨハネス・メーズス(指揮)
 シュトゥットガルト放送交響楽団
 録音 2010年1月11〜13日
          &10月22日

 イグナツ・プレイエル(1757〜1831)はモーツァルトよりも1歳若いオーストリアのピアニスト兼作曲家でハイドンの弟子ですが、この協奏交響曲はモーツァルトよりも多く作曲しています。 
 フルート、オーボエ、ホルン、ファゴットと管弦楽のための協奏交響曲ヘ長調は木管五重奏からクラリネットが抜けた四重奏とオーケストラのための作品です。3つの楽章で構成され、第1楽章はアレグロ・コン・ブリオ、序奏の後にオーボエ、ホルン、フルート、ファゴットの順に主題が歌われて4つの楽器のアンサンブルになります。中ではファゴットとホルンのきれいな和音が聴かれます。それぞれの楽器が歌いながら調和のとれた響きを作りだしています。そして4つの楽器による素晴らしいカデンツァがあります。第2楽章はメヌエットのテンポで、オーボエの美しい主題に始まり、フルートに受け継がれてやがてホルンで次にファゴットで美しい主題が歌われます。これは素晴らしい作品です。切れ目なく第3楽章のプレストに入って忙しく歌われます。短い楽章ですがカデンツァがあります。魅力的な作品です。
 オーボエ、ファゴットと管弦楽のための協奏交響曲変ロ長調はモーツァルトのファゴット協奏曲と同じ変ロ長調ですから、ホルンのハイトーンなど響きが似ているところがあります。オーボエとファゴットのソロのよる作品はやわらかな響きの楽器による響きの美しさがあります。第1楽章:アレグロ・モデラート、第2楽章:ロンド、アレグレットの2つの楽章で構成されています。第1楽章はメロディの宝庫といえるほど美しい主題が続々と流れます。第2楽章も同様で素晴らしい作品です。
 フルート、オーボエ、ファゴット、2つのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスと管弦楽のための協奏交響曲ヘ長調は8つのソロ楽器による作品です。第1楽章:アレグロ、第2楽章:アダージョ・エスプレシーヴォ、第3楽章:主題と7つの変奏曲の3つの楽章で構成されています。第1楽章はオーケストラのための協奏曲といえそうなスタイルですが、クラリネットと金管楽器が抜けています。多分委嘱されたオーケストラに名手がいなかったのだろうと思われます。なおオーケストラにはホルンが入っています。第2楽章は木管楽器の美しい主題に始まります。2つのヴァイオリンが入るのは音に厚みがあっていいものです。第3楽章の変奏曲では第3変奏にフルートが歌い、バックに2本のホルンが入ります。大変きれいな響きです。第5変奏から第7変奏でも2つのホルンが良い響きを出しています。
 ファゴット協奏曲変ロ長調は唯一のソロ協奏曲になります。デンナーベックは2002年からシュトゥットガルト放送交響楽団の首席ファゴット奏者です。作品は3つの楽章で構成され、第1楽章:アレグロ・モデラート、第2楽章:ロマンツェ、カンタービレ、第3楽章:ロンド、アレグレットになっています。デンナーベックのファゴットはやわらかな響きで素晴らしい演奏を聴かせてくれます。プレイエルの主題の美しさはここでも見事なもので、モーツァルトにも比肩する作曲家といえます。演奏も素晴らしい。


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