アンサンブル

豊田実加(ホルン)池田昭子クインテット/恋は野の鳥
CD(MEISTER MUSIC MM−3058)

恋は野の鳥
1.ビゼー/カルメン組曲(ワルター編)
2.イベール/木管五重奏のための3つの小品
3.フランセ/フルート、オーボエ、クラリネットと
   ファゴットのための四重奏曲
4.ドビュッシー/小組曲(神田寛明編)
5.ジョリヴェ/セレナーデ
6.プーランク/ノヴェレッテ(エマーソン編)

  池田昭子クインテット
  池田昭子(オーボエ)(N響団員)
  倉田 優 (フルート)(読響首席)
  箱崎由衣(クラリネット)(セントラル愛知響団員) 
  河村幹子(ファゴット)(新日本フィル首席) 
  豊田 実加(ホルン)(神奈川フィル首席)
  録音 2015年5月29&30日
      神奈川・フィリアホール

 NHK交響楽団のオーボエ奏者池田昭子が率いる女性メンバーによる池田昭子クインテットのデビューアルバムです。
 ジョルジュ・ビゼー(1838〜1875)の「カルメン組曲」はダヴィド・ワルターが木管五重奏のために編曲したものです。「アラゴネーズ」「ハバネラ」「恋は野の鳥」「セギディーリャ」「アルルの女の間奏曲」「闘牛士の歌」の順で演奏されます。オーボエ奏者らしい編曲ですがこの組曲では木管楽器の活躍が目覚ましいので丁度よいのでしょう。「ハバネラ」はカルメンの歌が聞こえてくるようです。「恋は野の鳥」も同様です。オーボエやフルートが華やかに歌います。「セギディーリャ」はファゴットの歌で有名です。ここになぜか「アルルの女の間奏曲」が挿入されますが違和感なく流れます。最後に前奏曲「闘牛士の歌」が演奏されています。
 ジャック・イベール(1890〜1962)の木管五重奏のための3つの小品は1930年の作品、デニス・ブレインの録音で知られています。フランスの香りがする作品で、3つの小品で構成されています。「アレグロ」「アンダンテ」「アセズ・レント〜アレグロ・スケルツァンド」の順で演奏されます。この演奏は洗練された響きがこの作品の魅力を教えてくれます。 
 ジャン・フランセ(1912〜1997)の「フルート、オーボエ、クラリネットとファゴットのための四重奏曲」はホルンを抜いた木管四重奏曲です。4つの楽章で構成されていて、まるでディヴェルティメントのようです。「アレグロ」「アンダンテ」「アレグロ・モルト」「アレグロ・ヴィヴァーチェ」の順で演奏されます。アレグロは楽しそうです。
 クロード・ドビュッシー(1862〜1918)の「小組曲」は原曲がピアノ連弾ですが、神田寛明の編曲はビュッセルのオーケストラ編曲を意識したものです。第1曲「小舟にて」はフルートで始まります。ホルンのソロもあって斬新です。第2曲「行列」はフルートやオーボエの響きが華やかです。楽しさあふれる演奏です。第3曲「メヌエット」は愛らしい曲です。フルート、オーボエの歌が美しい。第4曲「バレエ」は速いテンポの曲でフィナーレを飾る名作です。演奏も素晴らしい。
 アンドレ・ジョリヴェ(1905〜1974)の「セレナーデ」は「オーボエと木管四重奏のためのセレナーデ」でオーボエ・ソロの多い作品といえます。4つの楽章で構成されています。ジョリヴェの作品らしく自由な形式で書かれています。第2楽章「カプリース」は合わせるのも難しい曲でしょう。間奏曲風の第3楽章ではフルートにフラッタータンギングを要求しています。第4楽章「マーチ・ブルレスケ」はおどけた行進曲というものでかなりの自由な作品です。
 フランシス・プーランク(1899〜1963)の「ノヴェレッテ」は初期のピアノ作品で、これをエマーソンが木管五重奏に編曲したものです。大変愛らしい作品です。各楽器にソロをもたせた小品でホルンのソロも素晴らしい演奏です。


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