シューベルト/八重奏曲

ニコラ・シュドマイユ(ナチュラルホルン)(2014)
CD(outhere LPH 015)

1.シューベルト/八重奏曲ヘ長調Op166、D80
   〜2つのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、
    コントラバス、クラリネット、ホルンと
    ファゴットのための
2.シューベルト/四重奏曲断章ハ短調D703

 エディング四重奏団&
 アンサンブル・ノーザンライト
 バティスタ・ロペス(ヴァイオリン)(1&2)
 カロリーヌ・バイエ(ヴァイオリン)(1&2)
 デアドル・ダウリング(ヴィオラ)(1&2)
 アヘート・ズヴェイストラ(チェロ)(1&2)
 ダミアン・ギュフロワ(コントラバス)(1)
 ニコラ・ボウド(クラリネット)(1)
ジュリアン・ドボルド(バスーン(ファゴット)(1)
 ニコラ・シュドマイユ(ナチュラルホルン)(1)
 録音 2014年1月6〜9日

  ベルギーのエディング四重奏団と八重奏団のアンサンブル・ノーザンライトによるシューベルトの八重奏曲と四重奏曲断章です。アンサンブル・ノーザンライトの弦楽パートがエディング四重奏団です。ベルギーの古楽器団体の演奏です。
 シューベルトの八重奏曲は演奏に1時間もかかる大曲で室内アンサンブルのための交響曲といえます。1824年に書かれており「未完成」と「ザ・グレート」の間になります。シューベルトはホルンを大切にした曲が多いのですが、この曲にも重要なメロディーを吹かせています。第1楽章は前奏のアダージョから良い響きを出しています。続くアレグロでは整然としたアンサンブルが聞かれます。ロペスのヴァイオリンとボウドのクラリネットが甘い響きで歌います。続くシュドマイユのナチュラルホルンはさわやかな響きで演奏しています。ハンドさばきも滑らかに吹くホルンは素晴らしいです。展開部の整然とした演奏も素晴らしいです。この楽章では同じ音型が楽器を変えてなんども繰り返されます。再現部はファゴットに始まって主題が各楽器に受け継がれながらホルンのソロが朗々と歌われて終わります。最後の2つの和音をアルッペッジョでズシャン、ズシャンとやるところは印象的です。第2楽章:アダージョはクラリネットで始まる穏やかな雰囲気がきれいです。オリジナル楽器の響きはよいものです。中間部ではホルンのソロが歌われますが、ヴァイオリンとの対話もまたきれいです。後半もよいアンサンブルです。コーダのコントラバスのピツィカートはよく響きます。
 第3楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェは快活なスケルツォです。ロペスのリードするアンサンブルは明るく表現しています。ホルンの高音がよく響きます。ファゴット(7キィのバスーン)の響きもきれいです。第4楽章:アンダンテは主題と7つの変奏曲、シューベルトの歌劇「サラマンカの友人」から使われた主題に始まります。クラリネットとヴァイオリンが良い響きで演奏しています。第1変奏のファゴットとホルンの絡みもきれいです。シュドマイユの吹くホルンの第3変奏もよい響きです。ヴァイオリンも大変きれいです。続くチェロの第4変奏もまた深みがあり見事な演奏です。変化に富んだ7つの変奏曲は名作といえましょう。
 第5楽章:メヌエットはこの曲の中でも最も美しいといえる楽章です。クラリネットの美しい主題が歌われ弦楽器、ホルンに受け継がれていきます。ナチュラルホルンの優雅な響きが流れます。バスーン(ファゴット)の甘い響きも素晴らしいです。第6楽章:アンダンテ・モルト〜アレグロはシューベルトの音楽の美しさがあります。劇的な前奏に続くアレグロは見事なフィナーレです。これは素晴らしいアンサンブルです。響きの良さは抜群です。古楽器の魅力あふれる演奏です。演奏時間57分25秒。
 シューベルトの四重奏曲断章ハ短調は弦楽四重奏曲として書かれて第1楽章は完成して、第2楽章の41小節で筆が止まったというシューベルトらしい創作放棄ですが完成された未完成の断章としてこの作品は愛されています。エディング四重奏団の演奏は抒情的な響きと激しく劇的な響きと大変素晴らしい演奏です。完成された作品として、そして八重奏曲の第7楽章として収録してくれたことに感謝です。


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