シューベルト/八重奏曲

ロベルト・ラングバイン(2017)
CD(Profil CD PH18034)

シューベルト/八重奏曲ヘ長調Op166、D803
   〜2つのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、
    コントラバス、クラリネット、ホルンと
    ファゴットのための

 ドレスデン八重奏団
 マティアス・ヴォロング(ヴァイオリン)
 ヨルク・ファスマン(ヴァイオリン)
 セバスティアン・ヘルベルク(ヴィオラ)
 ノルベルト・アンガー(チェロ)
 アンドレアス・ヴィレジョウ(コントラバス)
 ヴォルフラム・グロース(クラリネット)
 ロベルト・ラングバイン(ホルン)
 ヨアヒム・ハンス(ファゴット)
 録音 2017年4月16日ライヴ
 ザルツブルク、モーツァルテウム

 ドイツのアンサンブル、ドレスデン八重奏団がザルツブルクで演奏したシューベルトの八重奏曲のライヴ録音です。
 シューベルトの八重奏曲は演奏に1時間もかかる大曲で室内アンサンブルのための交響曲といえます。1824年に書かれており「未完成」と「ザ・グレート」の間になります。シューベルトはホルンを大切にした曲が多いのですが、この曲にも重要なメロディーを吹かせています。
 第1楽章は前奏のアダージョから厚い響きを出しています。続くアレグロでは整然としたアンサンブルが聞かれます。ヴォロングのヴァイオリンとグロースのクラリネットが素晴らしい響きで歌います。続くラングバインのホルンは快活な響きで勢いのある演奏です。展開部も勢いがあり緻密なアンサンブルで素晴らしい演奏です。この楽章では同じ音型が楽器を変えて幾度も繰り返されます。再現部はファゴットに始まって主題が各楽器に受け継がれながらホルンのソロが高らかに歌われて終わります。第2楽章:アダージョはグロースのクラリネットで始まる穏やかな雰囲気がきれいです。ユニゾーンの美しい響きは格別です。中間部ではホルンのソロが歌われますが、ヴァイオリンとの対話もまた大変きれいです。ファゴットは抜群の存在感です。コーダのコントラバスのピツィカートはよく響きます。
 第3楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェは快活なスケルツォです。ヴォロングのリードするアンサンブルは快活な演奏をしています。ホルンの高音がよく響きます。クラリネットとファゴットが大変よい響きを出しています。楽しいスケルツォです。第4楽章:アンダンテは主題と7つの変奏曲、シューベルトの歌劇「サラマンカの友人」から使われた主題に始まります。クラリネットとヴァイオリンが良い響きで演奏しています。第1変奏のファゴットとホルンの絡みもきれいです。ラングバインの吹くホルンの第3変奏は勢いがあってよい響きです。ヴァイオリンもきれいです。続くチェロの第4変奏もまた聞きものです。メリハリのある演奏は圧巻です。変化に富んだ7つの変奏曲は名作といえましょう。
 第5楽章:メヌエットはこの曲の中でも最も美しいといえる楽章です。クラリネットの美しい主題が歌われ弦楽器、ホルンに受け継がれていきます。ラングバインのホルンは明るいです。トリオのファゴットの響きも素晴らしいです。 第6楽章:アンダンテ・モルト〜アレグロはシューベルトの音楽の美しさがあります。劇的な前奏に続くアレグロは見事なフィナーレです。これは素晴らしいアンサンブルです。絶賛したい名演です。演奏時間61分07秒。


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