J・S・バッハ/ブランデンブルク協奏曲第1番

ティモシー・ブラウン&ジュリアン・ベイカー(1980)

CD1(PHILIPS PHCP-3826)
CD2(PHILIPS PHCP-3827)

バッハ/ブランデンブルク協奏曲全集
CD1
1.ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調BWV1046
2.      〃       第2番ヘ長調BWV1047
3.      〃       第3番ト長調BWV1048
CD2
4.ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調BWV1049
5.      〃       第5番ニ長調BWV1050
6.      〃      第6番変ロ長調BWV1051

 カール・ピーニ(ヴィオリーノ・ピッコロ)(1)
 セリア・ニックリン(オーボエ)(1)
 バリー・デイヴィス(オーボエ)(1)
 アンジェラ・テニック(オーボエ)(1)
 ティモシー・ブラウン(ホルン)(1)
 ジュリアン・ベイカー(ホルン)(1)
 グラハム・シーン(ファゴット)(1)
 ヘンリク・シェリング(ヴァイオリン)(2、4&5)
 アンドレ・ベルナール(トランペット)(2)
 ミカラ・ペトリ(リコーダー)(2&4)
 ハインツ・ホリガー(オーボエ)(2)
 ケネス・シリトー(ヴァイオリン)(3)
 ジョン・バーチ(チェンバロ)(3)
 デニス・ヴィゲイ(チェロ)(3&6)
 エリザベス・セーリン(リコーダー)(4)
 ジャン=ピエール・ランパル(フルート)(5)
 ジョージ・マルコム(チェンバロ)(5)
 スティーヴン・シングルス(ヴィオラ)(6)
 ロジャース・ベスト(ヴィオラ)(6)
 デニス・ネスビット(ヴィオラ・ダ・ガンバ)(6)
 マリリン・サンソン(ヴィオラ・ダ・ガンバ)(6)
 サー・ネヴィル・マリナー指揮
  アカデミー室内管弦楽団 
   録音 1980年5月23〜30日(1〜6)

 マリナーとアカデミー室内による2度目のブランデンブルク協奏曲全集です。PHILIPSの録音でシェリングやホリガ−の他にランパルも録音に参加しています。
 ブランデンブルク協奏曲第1番は速めのテンポで始まります。2本のホルンの滑らかな演奏が印象的です。オーボエの響きもきれいなものです。第2楽章のオーボエ・ソロとヴァイオリンが大変美しい演奏です。これは素晴らしい。第3楽章のアレグロでは2本のホルンが良い響きを出しています。ビーニのピッコロ・ヴァイオリンも見事な演奏が聴かれます。第4楽章のメヌエットは程よいテンポの演奏になっています。ホルンがきれいです。第1トリオの3本のオーボエとファゴットは素晴らしい演奏です。良い響きです。中間部のポロネーズはやや速めのテンポで弦楽が大変きれいな演奏です。第2トリオのホルンとオーボエの演奏も見事な演奏です。ここはティモシー・ブラウンのホルンやニックリンのオーボエが素晴らしい響きです。
 第2番はピッコロ・トランペットのソロが大変きれいに響きます。オーボエはホリガ−、ヴァイオリンはシェリング、リコーダーはミカラ・ペトリという豪華メンバーの演奏です。大変よいアンサンブルになっています。第2楽章のアンダンテはオーボエとリコーダーとヴァイオリンと通奏低音のトリオ・ソナタのようになっています。ここは大変素晴らしい演奏が聴かれます。第3楽章ではトランペットの高域の音が飛び交いますので華やかです。オーボエとリコーダーも素晴らしい演奏です。シェリングのヴァイオリンも熱いです。
 第3番は第1楽章で弦楽合奏の整然としたアンサンブルが聴かれます。第2楽章は珍しい演奏でヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ第6番BWV1019aの異稿の緩徐楽章をシリトーがヴァイオリンと通奏低音で演奏しています。最後に弦楽では演奏されません。第3楽章のアレグロは弦楽の素晴らしい演奏が流れます。
 第4番は2本のリコーダーが華やかです。ミカラ・ペトリらのリコーダーとシェリングのヴァイオリンとのアンサンブルがきれいです。第2楽章はアンダンテ、弦楽と2つのリコーダーの作り出す響きは大変美しいです。第3楽章のフーガも華やかな響きで、シェリングのヴァイオリンも加わって素晴らしい演奏です。
 第5番はフルート、ヴァイオリンとチェンバロがソロになります。シェリングのヴァイオリンとランパルのフルートが素晴らしいです。2つの楽器の対話が続きますので、まさに豪華な演奏です。後半はジョージ・マルコムのチェンバロ・ソロもまた聴きものです。良い響きです。第2楽章のフルートとヴァイオリンが歌う主題の美しさは素晴らしいものです。バッハの作るメロディは美しいです。フルートとヴァイオリンのためのソナタを聴いているようです。第3楽章のアレグロは跳躍するような主題がヴァイオリンとフルートで歌われます。ランパルとシェリングの息の合った演奏が素晴らしい。
 第6番は2つのヴィオラ、2つのヴィオラ・ダ・ガンバ、チェロ、コントラバスと通奏低音による演奏です。第1楽章はヴィオラとガンバが主役でシンコペーションの主題が交錯します。良い響きで見事な演奏です。第2楽章はガンバが抜けてヴィオラとチェロが優雅に演奏します。マリナーはこの録音ではオルガンを使いませんでした。第3楽章は全合奏でフーガのように追いかけてゆく主題が繰り返されています。これもまた素晴らしい演奏です。それぞれの楽器が追いかけるところがよくわかります。


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