ヤナーチェクのホルン作品

組曲「青春」/ベルリン放送管楽六重奏団(1950)
CDR(Forgotten fr 735)

ヤナーチェク/室内楽作品集
1.2つのヴァイオリン、ヴィオラ、クラリネット、ホルン、
  ファゴットとピアノのためのコンチェルティーノ
2.ヴァイオリンとピアノのためのドゥムカ
3.ヴァイオリン・ソナタ
4.組曲「青春」〜管楽六重奏のための

 バリリ・アンサンブル
 ワルター・バリリ(ヴァイオリン)(1〜3)
 フランツ・ホレチェク(ピアノ)(1〜3)
 フランツ・コッホ(ウィンナホルン)(1)
 ルドルフ・シュトレング(ヴィオラ)(1)
 オットー・シュトラッサー(ヴァイオリン)(1)
 アルフレート・プリンツ(クラリネット)(1)
 カール・エールベルガー(ファゴット)(1)
 ベルリン放送管楽六重奏団(4)
 録音 1954年ウィーン
     1950年ベルリン

 バリリ・アンサンブルとベルリン放送管楽六重奏団によるヤナーチェクの室内楽作品集です。
 2つのヴァイオリン、ヴィオラ、クラリネット、ホルン、ファゴットとピアノのためのコンチェルティーノは4つの楽章が異なる編成で演奏されています。第1楽章の「モデラート」はホルンとピアノで演奏されます。コッホのウィンナホルンはやわらかな響きで歌います。この楽章はホルンの小品としてもよいものです。第2楽章の「ピュー・モッソ」はクラリネットとピアノのデュオです。プリンツのクラリネットは華やかで忙しく歌います。ホレチェクのピアノは素晴らしい響きです。第3楽章の「コン・モト」は2つのヴァイオリン、クラリネット、ホルンとピアノのようです。ピアノとヴァイオリンが目立ちます。ホルンはほとんど和音のひとつです。第4楽章の「アレグロ」は2つのヴァイオリン、ヴィオラ、クラリネット、ホルン、ファゴットとピアノの七重奏です。ピアノの響きに圧倒されますが、ヤナーチェクの素晴らしい作品のひとつとして忘れられないです。
 ヴァイオリンとピアノのための「ドゥムカ」はヴァイオリンのための小品です。ワルター・バリリのヴァイオリンは温かさを感じさせる名演奏です。
 ヴァイオリン・ソナタは4つの楽章で構成されています。第1楽章「コン・モト」、第2楽章「バラード」、第3楽章「アレグレット」、第4楽章「アダージョ」になっています。ワルター・バリリのヴァイオリンは第1楽章の美しい響き、第2楽章の豊かな表現力、第3楽章の素早いフレーズのうまさ、第4楽章では穏やかな演奏に温かさを感じさせます。これも素晴らしい演奏です。
 組曲「青春」は木管五重奏にバス・クラリネットが加わった六重奏の作品です。ベルリン放送管楽六重奏団の演奏です。4つの楽章で構成されています。第1楽章の「アレグロ」は木管楽器が元気に行進するような勢いです。ホルンが応援します。ホルンのソロも入ります。良い響きです。第2楽章の「アンダンテ・ソステヌート」は哀し気な足取りで歩くような音楽です。穏やかなホルンもきれいです。「青春」にはいろいろな道があります。第3楽章の「ヴィヴァーチェ」は元気そのものです。オーボエやフルートの元気な姿をホルンやファゴットが追いかけます。フィナーレの「アレグロ・アニマート」はフルートとクラリネットが主題を提示すると他の管楽器がにぎやかに応答します。この「青春時代」を思わせる音楽は楽しいです。古い録音ですが演奏は素晴らしいものです。


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