ヤナーチェクのホルン作品

コンチェルティーノ/ズデニェク・ティルシャル(1991)
CD(RCA BVCC-112)

フィルクシュニー/名演集
1.ドヴォルザーク/ピアノ協奏曲ト短調Op33
2.ヤナーチェク/コンチェルティーノ
3.   〃   /カプリッチョ「挑戦」

 ルドルフ・フィルクシュニー(ピアノ)(1〜3)
 ヴァーツラフ・ノイマン指揮
 チェ・フィルハーモニー管弦楽団(1)
 ヨセフ・クロフト(ヴァイオリン)(2)
 ヤン・バブレ(ヴァイオリン)(2)
 ヤン・マレク(ヴィオラ)(2)
 ズデニェク・テサーシュ(クラリネット)(2)
 イヴァン・ドクサンスキー(クラリネット)(2)
 イルジー・セイドゥル(ファゴット)(2)
 ズデニェク・ティルシャル(ホルン)(2)
 ラドミール・ピヴォダ(フルート&ピッコロ)(3)
 ズデニェク・シェディヴィー(トランペット)(3)
 イルジー・シェディヴィー(トランペット)(3)
 ヤロスラフ・タホヴスキー(テノール・テューバ)(3)
 ヤロスラフ・リスィー(トロンボーン)(3)
 イルジー・オドハージェル(トロンボーン)(3)
 ルドヴィーク・ボルトル(トロンボーン)(3)
 録音 1990年12月19&20日(1)
     1991年6月8〜10日(2&3)

 チェコ生まれのピアニスト、ルドルフ・フィルクシュニー(1912〜1994)のドヴォルザークとヤナーチェクの演奏です。この中にヤナーチェクのコンチェルティーノがあり、ティルシャルがホルンを演奏しています。
 ドヴォルザークのピアノ協奏曲ト短調は1876年の作品。35歳の時に書かれています。第1楽章「アレグロ・アジタート」、第2楽章「アンダンテ・ソステヌート」、第3楽章「アレグロ・コン・フォコ」となっていて、ドヴォルザークらしいボヘミア風の音楽が随所に聴かれます。ノイマンが引き出すメロディの美しさは素晴らしいものです。78歳のフィルクシュニーの力強いピアノが素晴らしい演奏です。第2楽章の冒頭にはホルンのソロがあり、ティルシャルの美しい演奏が聞かれます。第3楽章もピアノとチェコフィルが作り出す響きの素晴らしさには感動です。
 ヤナーチェクの「コンチェルティーノ」は2つのヴァイオリン、ヴィオラ、クラリネット、ホルン、ファゴットとピアノのための作品です。4つの楽章で構成されていて全員の演奏は第3、第4楽章だけです。第1楽章の「モデラート」はホルンとピアノで演奏されます。単調な主題と動きのある主題があります。ティルシャルのホルンは明るい響きでヴィブラートのきれいな演奏です。ピアノのフィルクシュニーの演奏もよい響きです。この2人の演奏は絶品です。録音には感謝です。第2楽章の「ピュー・モッソ」はクラリネットとピアノのデュオです。クラリネットが華やかで忙しく歌います。フィルクシュニーのピアノは大変素晴らしい響きです。第3楽章の「コン・モト」は全員の演奏になりますが、ピアノとヴァイオリンが目立ちます。ホルンはほとんど和音になります。第4楽章の「アレグロ」も全員の演奏です。ピアノの響きに圧倒されますが、ホルンも聞こえます。ヤナーチェクの素晴らしい作品のひとつとして忘れられないです。
 ヤナーチェクの「カプリッチョ」は「挑戦」の副題があり、左手ピアノ、フルート、2本のトランペット、テノール・テューバと3本のトロンボーンで演奏されます。第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「アレグレット」、第4楽章「アンダンテ」となっています。第1楽章と第2楽章ではテノール・テューバがホルンのように聞こえてくるのが楽しいです。金管楽器の中にフルートが響くのが印象的です。第4楽章もトロンボーンとフルートの響きがきれいです。ピアノが大変素晴らしい響きです。晩年のフィルクシュニーとは思えません。これも名演です。


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