ヤナーチェクのホルン作品

組曲「青春」/マリー=ルイーズ・ノイネッカー(2011)
CD(Avi-music 8553261)

室内楽作品集
1.シュポア/大九重奏曲ヘ長調Op31
2.イベール/2つの間奏曲
  〜フルート、ヴィオラ、ハープのための
3.ヤナーチェク/組曲「青春」
4.ヴィトマン/ヴァイオリンとチェロのための
            11の二重奏曲

アンドレア・リーバークネヒト(フルート、ピッコロ)(1)
      〃         (フルート)(2&3)
フランソワ・ルルー(オーボエ)(1&3)
セバスティアン・マンツ(クラリネット)(1
マリー=ルイーズ・ノイネッカー(ホルン)(1&3)
ダーグ・イェンセン(ファゴット)(1&3)
リザ・バティアシュヴィリ(ヴァイオリン)(1)
レイチェル・ロバーツ(ヴィオラ)(1)
ジュリアン・アルプ(チェロ)(1)
アロイス・ポッシュ(コントラバス)(1)
フローリアン・ドンダラー(ヴィオラ)(2)
ヤナ・ボウシュコヴァー(ハープ)(2)
セバスティアン・マンツ(バス・クラリネット)(3)
シャーリー・ブリル(クラリネット)(3)
クリスティアン・テツラフ(ヴァイオリン)(4)
マリー=エリザベート・ヘッカー(チェロ)(4)
 録音 2011年6月8日(1&2)
     2011年6月7日(3)
     2011年6月9日(4)
 ハイムバッハ、シュパヌンゲン音楽祭ライヴ

 2011年のシュパヌンゲン室内楽音楽祭のライヴ録音です。そうそうたるメンバーが揃いました。
 シュポアの「大九重奏曲ヘ長調」は1813年の作品。木管五重奏とヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとコントラバスの九重奏で4つの楽章で構成されています。第1楽章「アレグロ」は弦楽に続く木管の明るい主題とホルンの応答がきれいな響きです。第2楽章「スケルツォ、アレグロ」は川の流れのように歌う主題が大変きれいです。トリオのヴァイオリンも素晴らしい響きです。後半にはノイネッカーのホルンが響きます。第3楽章「アダージョ」は弦楽に始まり管楽器の美しい響きが流れます。シュポアの作品らしい美しさがあります。第4楽章「フィナーレ、ヴィヴァーチェ」はシンフォニーのように勢いのある音楽です。素晴らしいアンサンブルです。シュポアの魅力あふれる作品と言えます。
 イベールの「2つの間奏曲」はフルート、ヴィオラ、ハープのための作品です。第1曲「アンダンテ・エスプレシーヴォ」第2曲「アレグロ・ヴィーヴォ」になっています。ドビュッシーもこの編成のソナタを残しています。バランスのよい響きが魅力です。ドンダラーのヴィオラとボウシュコヴァーのハープにのってリーバークネヒトがフルートを演奏しています。第2曲ではヴィオラのソロもあります。魅力的な作品です。
 ヤナーチェクの組曲「青春」は木管五重奏にバス・クラリネットが加わった六重奏です。4つの楽章で構成されています。第1楽章の「アレグロ」は木管楽器が元気に行進するような勢いです。ホルンが応援します。ノイネッカーの吹くホルンは明るく美しい響きです。第2楽章の「アンダンテ・ソステヌート」は哀し気な足取りで歩くような音楽です。穏やかなホルンやファゴットも大変きれいです。「青春」にはいろいろな道があります。第3楽章の「ヴィヴァーチェ」は元気そのものです。オーボエやフルートの元気な姿をホルンやファゴットが追いかけます。ノイネッカーのホルンが明るく響きます。フィナーレの「アレグロ・アニマート」はフルートとクラリネットが主題を提示すると他の管楽器がにぎやかに応答します。ホルンの明るい響きが大変きれいです。この「青春時代」を思わせる音楽は楽しいです。これは素晴らしい演奏です。
 ヴィトマンの「ヴァイオリンとチェロのための11の二重奏曲」は24の二重奏曲の第2集です。クリスティアン・テツラフのヴァイオリンとマリー=エリザベート・ヘッカーのチェロのデュオです。第1曲「カプリチオ」に始まり11の小品が演奏されます。テツラフとヘッカーの気迫に満ちた演奏が聴かれます。第7曲ではピツィカートが使われて、良い響きを出しています。第8曲のワルツでもピツィカートが良い響きになっています。第9曲はラメント(哀歌)で哀愁的な歌になります。第11曲はこのデュオの華やかな響きが堪能できます。ジェームス・ボンドのテーマが飛び込んできてびっくりです。素晴らしい演奏です。


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