ヤナーチェクのホルン作品

組曲「青春」/カテジナ・ヤヴールコヴァー(2017)
CD(SUPRAPHON SU4230−2)

木管五重奏曲集
1.フェルステル/木管五重奏曲ニ長調Op95
2.ハース/木管五重奏曲Op10
3.ヤナーチェク/組曲「青春」

 ベルフィアト五重奏団
 オト・レイプリフ(フルート)
 ヤン・ソウチェク(オーボエ)
 イルジー・ヤヴーレク(クラリネット)
 オンドジェイ・シンデラーシュ(ファゴット)
 カテジナ・ヤヴールコヴァー(ホルン)
 インジヒ・パヴリシュ(バス・クラリネット)
 録音 2017年2月10〜14日
   プラハ、チェコ・ブレザレン福音教会

 2005年に創設されたチェコの若手演奏家ベルフィアト五重奏団による室内楽作品集です。
 ヨゼフ・ボフスラフ・フェルステル(1859〜1951)はチェコの作曲家、木管五重奏曲ニ長調は1909年の作品です。第1楽章「アレグロ・モデラート」は管楽器の優雅な響きに始まります。やがてホルンが主題をきれいに歌います。第2楽章「アンダンテ・ソステヌート」は穏やかなテンポの楽章で、アンサンブルの響きの美しさがあります。第3楽章「アレグロ・スケルツァンド」は華やかな響きに始まるスケルツォ楽章です。後半にはホルンの明るい歌が聴かれます。第4楽章「モデラート・エ・トランクウィロ〜アレグロ・ヴィーヴォ〜アレグロ・デチーソ」は穏やかな序奏。そしてワルツのような部分ではホルンがきれいに歌います。温かな響きの作品です。これは素晴らしい演奏です
 パーヴェル・ハース(1899〜1944)はチェコの作曲家でヤナーチェクに教えを受けていました。木管五重奏曲は1929年の作品です。4つの楽章で構成され、ロマン的な作品です。第1楽章ではホルンのソロがあり、フルートとホルンのユニゾーンがあるなど独特の作風です。第2楽章はフルートに始まり、オーボエ、クラリネットに受け継がれていきます。後半ではホルンが高らかに歌います。第3楽章はスケルツォ風でフルートがピッコロに持ち替えています。ここでもホルンの活躍があります。第4楽章もホルンのソロで始まります。ヤヴールコヴァーのホルンが素晴らしい響きです。
 レオシュ・ヤナーチェクの組曲「青春」は木管五重奏にバス・クラリネットが加わった六重奏です。4つの楽章で構成されています。第1楽章の「アレグロ」は木管楽器が元気に行進するような勢いです。ホルンが応援します。ヤヴールコヴァーの吹くホルンは明るく若さあふれる美しい響きです。アンサンブルも勢いがあります。第2楽章の「アンダンテ・ソステヌート」は哀し気な足取りで歩くような音楽です。穏やかなホルンやファゴットも大変きれいです。「青春」にはいろいろな道があります。第3楽章の「ヴィヴァーチェ」は元気そのものです。オーボエやピッコロの元気な姿をホルンやクラリネット、ファゴットが追いかけます。ヤヴールコヴァーのホルンが明るく響きます。フィナーレの「アレグロ・アニマート」はフルートとクラリネットが主題を提示すると他の管楽器がにぎやかに応答します。ホルンの明るい響きが大変きれいです。この「青春時代」を思わせる音楽は楽しいです。若さあふれる素晴らしい演奏です。


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