J・S・バッハ/ブランデンブルク協奏曲第1番

アンドリュー・クラーク&クリスティアン・ラザフォード(1993)

CD1(L'OISEAU-LYRE UCCD-2018/9)2枚組
CD2(L'OISEAU-LYRE 478 6848/6849)2枚組

バッハ/ブランデンブルク協奏曲全集
1.ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調BWV1046
2.       〃      第2番ヘ長調BWV1047
3.       〃      第3番ト長調BWV1048
4.       〃      第4番ト長調BWV1049
5.       〃      第5番ニ長調BWV1050
6.       〃     第6番変ロ長調BWV1051

パヴロ・ベズノシウク(ヴァイオリン)(1、2,4&5)
キャサリン・レイサム(オーボエ)(1&2)
ゲイル・ヘネシー(オーボエ)(1)
ジェイムズ・イースタウェイ(オーボエ)(1)
アンドリュー・クラーク(ナチュラルホルン)(1)
クリスティアン・ラザフォード(ナチュラルホルン)(1)
デイヴィッド・スタッフ(トランペット)(2)
フィリップ・ピケット(リコーダー)(2&4)
リチャード・タニクリフ(チェロ)(2&6)
キャサリン・レイサム(リコーダー)(4)
リサ・ベズノシウク(フラウト・トラヴェルソ)(5)
デイヴィッド・ロブロー(チェンバロ)(5)
パヴロ・ベズノシウク(ヴィオラ)(6)
キャサリン・マッキントッシュ(ヴィオラ)(6)
フィリップ・ピケット指揮
  ニュー・ロンドン・コンソート
  録音 1993年1月5〜7日(2、4&6)
      1993年3月2〜4日(1、3&5)
     ロンドン/ウォルサムストウ・タウンホール

 リコーダー奏者フィリップ・ピケット指揮のニュー・ロンドン・コンソートによるブランデンブルク協奏曲全集です。
 ブランデンブルク協奏曲第1番の演奏はナチュラルホルンとバロックオーボエによる響きの美しさがあります。ベズノシウクのヴァイオリンもきれいに響きます。2本のホルンの響きが独特です。第2楽章もオーボエの美しい響きとベズノシウクのヴィオリーノ・ピッコロの響きがきれいです。第3楽章は2本のホルンがきれいに響きます。アンドリュー・クラークとクリスティアン・ラザフォードのナチュラルホルンのうまさも抜群です。ヴァイオリンのソロもきれいです。第4楽章のメヌエットはやや速めのテンポです。第1トリオのオーボエとファゴットは快適なテンポで美しい響きです。ポロネーズは速めのテンポで勢いのある演奏です。第2トリオのホルンとオーボエは程よいテンポで大変良い響きです。ナチュラルホルンの魅力的な響きが聴かれます。このメヌエットは素晴らしい演奏です。

 ブランデンブルク協奏曲第2番はデイヴィッド・スタッフのバロックトランペットのきれいな響きが素晴らしい。またオーボエやリコーダーの響きもきれいです。第2楽章はヴァイオリンとオーボエ、リコーダーのトリオが大変きれいです。第3楽章ではトランペットの高域の音が飛び交いますので華やかです。リコーダー、ヴァイオリンとオーボエの響きもまたきれいです。

 ブランデンブルク協奏曲第3番はやや速めのテンポの第1楽章は弦楽の美しさがあります。第2楽章のアダージョはヴァイオリンの短いカデンツァのあとに弦楽が入ります。第3楽章のアレグロは緻密な演奏の弦楽が勢いのある素晴らしいものです。

 ブランデンブルク協奏曲第4番は2本のリコーダーで演奏しています。ヴァイオリンの響きもまたきれいです。フィリップ・ピケットとキャサリン・レイサムのリコーダーの響きは実に美しいものです。ベズノシウクのヴァイオリンも絶品の演奏です。第2楽章は冒頭の弦楽がよい響きです。リコーダーとヴァイオリンも良い響きを出しています。第3楽章の冒頭はフーガですが、このピケット指揮の演奏はさすがに素晴らしいものになっています。ヴァイオリンも見事な演奏です。

 ブランデンブルク協奏曲第5番は弦楽の爽やかな序奏とフルート、ヴァイオリン、チェンバロが演奏するバッハの代表的な協奏曲のひとつです。リサ・ベズノシウクのフラウト・トラヴェルソ、パヴロ・ベズノシウクのヴァイオリンとデイヴィッド・ロブローのチェンバロの素晴らしい演奏が聞かれます。後半のチェンバロ・ソロも見事なものです。第2楽章はチェンバロとフラウト・トラヴェルソのやわらかな響きとヴァイオリンの対話がきれいです。チェンバロのメロディもまた聴きものです。第3楽章の跳ねるようなリズムはヴァイオリンとフルートの息の合った演奏が聴きどころでしょう。チェンバロもこれはきれいな演奏です。

 ブランデンブルク協奏曲第6番はヴィオラ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェロ、コントラバスとチェンバロだけによるいわば中低音楽器だけによる演奏です。第1楽章はヴィオラとガンバが主役でシンコペーションの主題が交錯しますが緻密で素晴らしい演奏になっています。勢いのある演奏です。第2楽章はガンバが抜けてヴィオラとチェロが優雅に演奏します。第3楽章は全合奏でフーガのように追いかけてゆく主題が繰り返されています。程よいテンポでこれも素晴らしい演奏です。


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