その他のホルン作品

クリストファー・ライト/ホルン協奏曲/リチャード・ワトキンス(2021)
CD(TOCCATA CLASSICS TOCC 0466)

1.バートン/アコード: 1楽章の交響曲(2018)
2.ライト/ホルン協奏曲(2011)
3. 〃 /交響曲(2015)

 リチャード・ワトキンス(ホルン)(2)
 ジョン・アンドルーズ指揮
 ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団
  録音 2021年10月14&15日

 ジョン・アンドルーズ指揮ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団による演奏で、イギリスの作曲家の作品です。
 ニコラス・バートン(1950〜)のアコード: 1楽章の交響曲は2018年の作品。その名の通り単一楽章の交響曲です。作品はマーラー風ともいえそうな近代的な作風です。メロディはきれいな響きです。中間部にはやや穏やかな演奏の部分もあります。突然静寂な木管演奏があって、次第に盛りあがります。後半にも静かな部分があって、耳を傾けたくなる素晴らしい作品です。

 クリストファー・ライト(1954〜)のホルン協奏曲は2011年の作品です。3つの楽章で構成されています。第1楽章はアレグロ・デチーソのテンポで、ホルンの明るい響きが流れます。近代的な作風ですが、ホルンの主題はきれいなものです。中間部には細やかなメロディやハイトーンも聞かれます。後半の盛りあがりもきれいです。第2楽章は抒情的なアンダンテ・ソステヌートです。ホルンの穏やかで抒情的な主題が歌われます。きれいな演奏です。第3楽章はジャズ的なプレスト・モルトです。トランペットが入ってきて、ジャズ風な響きになります。ホルンの主題もスイング的な歌が流れます。やがてベースのピチカートのあとにホルンのきれいな主題が歌われます。やがて後半にはグリッサンドやスイング風メロディが歌われます。楽しい作品です。ワトキンスのホルンは名演です。

 ライトの交響曲は2015年の作品です。大作で4つの楽章で構成されています。第1楽章のアンダンテは大規模な作品で、打楽器にはタムタムも使われています。迫力の演奏です。第2楽章はモルト・プレスト動きの速い主題で打楽器の活躍も素晴らしいです。第3楽章はセンプレ・レント・エ・ソステヌート、弦楽の穏やかな演奏に始まり、やがて緊張感漂う素晴らしい響きになります。中間部には金管とティンパニが入って壮大な響きになります。後半は鈴かな部分から一気に盛り上がります。魅力的な楽章です。第4楽章のアレグロ・モデラート・エ・デチーソはティンパニに始まり、パーカッションの響きの素晴らしい演奏です。そしてオーケストラもよい響きで、ホルンの高らかな響きも聴きものです。この楽章は第1楽章のように壮大な響きが聴かれます。中間部には静かな響きがありますが、まもなく盛り上がりを見せます。コーダは迫力のある演奏です。そして静かに終わります。聴きごたえのある作品です。


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