アンサンブル

三枝成彰、近衛秀健、平尾貴四男、他/木管五重奏曲/吉永雅人(2011)
CD(Meister Music MM-2114)

1.三枝成彰/木管五重奏曲
2.近衛秀健/03
3.平尾貴四男/管楽五重奏曲
4.真島俊夫/Aegean Gentle Breeze
           〜エーゲ海の風

 木管五重奏団東京03S
 一戸 敦(フルート)(読響首席)
 杉浦 直基(オーボエ)(元東響首席)
 磯部 周平(クラリネット)(元N響首席)
 吉永 雅人(ホルン)(新日本フィル首席)
 吉田 将 (ファゴット)(読響首席)
  録音 2011年11月14&15日
    君津市民文化ホール

 木管五重奏団東京03Sは東京のオーケストラの首席や元首席のメンバーによる団体です。これは日本人の作品の演奏です。
 三枝成彰(1942〜)の木管五重奏曲は1963年学生時代の作品です。3つの楽章で構成されています。第1楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」、第2楽章「レント・エスプレシーヴォ」、第3楽章「モデラート」になっています。第1楽章は各楽器の和音の響きの素晴らしさ、休みない主題の連続は素晴らしいです。19世紀の作品では聴かれない素晴らしい作品です。第2楽章はオーボエの美しい主題に始まって、木管の美しさがあります。第3楽章は息の合った素晴らしいアンサンブルが聴かれます。フルートがきれいに響きます。
 近衛秀健(1931〜2003)の「03」は1979年の作品。「03」とは東京の市外局番のようです。これは4つの楽章で構成されています。第1楽章「せわしく落ち着かずに」、第2楽章「アダージェット、風刺をこめて」、第3楽章「陽気に、浮かれ調子で」、第4楽章「ソステヌート」になっています。第1楽章はせわしい演奏のようですが、きれいなアンサンブルです。第2楽章はアダージェット、ホルンがきれいに響きます。まさに東京を歌っているようです。第3楽章は陽気な若者を歌うように木管が歌います。それに応えるようにホルンがきれいに歌います。第4楽章はソステヌート、穏やかにきれいなアンサンブルが響きます。これはきれいな作品です。
 平尾貴四男(1907〜1953)の管楽五重奏曲は1950年の作品。これは3つの楽章で構成されています。第1楽章「アンダンテ」、第2楽章「アレグロ」、第3楽章「プレスト」になっています。第1楽章は物語風のきれいな主題が歌われます。そしてテンポが変わり明るいイメージ、そして穏やかになって抒情的な主題も歌われます。第2楽章は快適なテンポで明るい響きのアンサンブルです。ユニゾーンの素晴らしい響きは滅多に聴かれない美しさがあります。第3楽章のプレストはさわやかな開始ですが、やがて盛りあがり、ホルンの明るい響きが聴かれます。ファゴットとクラリネットが活躍して見事なアンサンブルです。これは世界に誇れる作品と演奏です。絶賛したいと思います。
 真島俊夫(1949〜)の「Aegean Gentle Breeze〜エーゲ海の風」は2011年、磯部周平からの委嘱作品でした。第1曲「小舟」、第2曲「夕凪」、第3曲「クレタ島」になっています。作品は依頼者の磯部(いそべ)の名からイ(A)ソ(G)ベ(B♭)の音を思いついて、そのイソベの音型から曲は始まる面白い作品です。そしてそのAGBから「エーゲ海の風」を思いついて3つの曲になりました。第1曲は冒頭イソベの音型が各楽器から歌われます。浮かぶ小舟のようです。第2曲「夕凪」は穏やかな雰囲気の海を表現しています。夕方のエーゲ海の美しい風景を思わせます。第3曲「クレタ島」は華やかな風景を思わせる美しいメロディが楽しそうに歌われます。これも日本人の作品として世界に誇れる五重奏曲と思われます。多くの録音が望まれます。これも素晴らしいアンサンブルです。


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