アンサンブル

4つの衝動/フォース・ライン・ホルン四重奏団(2020)




CD(ALBA ABCD 516)

 4つの衝動
1.クヴァンダール/ホルン四重奏曲Op73(1988)
2.アルミラ/4つのホルンのための小シリーズ
3.シェレスヴィーク/4つの衝動
4.ホイットール/アンセムU(2009)
5.レシュタード/レチタティーヴォと
    ファンファーレOp130(フォース・ライン編曲)
6.メラルティン/4つのホルンのための
       小四重奏曲Op.185(1936/1990)
     (ホルゲル・フランスマン編曲)

 フォース・ライン・ホルン四重奏団
 タニヤ・ニソネン(ホルン)
 パウリーナ・コスケラ(ホルン)
 マリア・ルフタネン(ホルン)
 メルヴィ・フットゥネン(ホルン)
  録音 2020年
  ヴァリストテレス・スタジオ(ヘルシンキ)

 フィンランドのフォース・ライン・ホルン四重奏団が演奏する北欧のホルン四重奏曲集です。フォース・ライン・ホルン四重奏団は2016年、フィンランドのトップ女性ホルン奏者4人が結成したアンサンブルです。

 ヨハン・クヴァンダール(1919-1999)のホルン四重奏曲は1988年の作品。3つの楽章で構成されています。第1楽章「マエストーゾ、アダージョ・マ・ノン・トロッポ」は4本のホルンが元気に歌い始めます。穏やかな演奏で良いアンサンブルです。第2楽章「スケルツォ:アレグロ」は軽やかなスケルツォです。楽しそうな演奏です。難しいフレーズはないようで、演奏はきれいです。第3楽章「ラルゴ - アレグロ」は序奏がラルゴでミュートも使います。アレグロはこれも楽しそうに歌います。細やかなメロディですが良いアンサンブルです。
 アッツォ・アルミラ(1953-)の4つのホルンのための小シリーズは1987年の作品。3つの楽章で構成されています。第1楽章「アレグロ」は独特の響きです。細やかなアンサンブルと主題を吹くホルンがあります。第2楽章「レント・インモービレ」は穏やかにきれいなホルンが響きます。そして流れるような主題も歌われます。第3楽章「アレグレット」は軽やかなテンポで細やかに演奏します。楽しそうに歌います。短い作品ですが、見事な演奏です。
 ダニエル・ヴァイセト・シェレスヴィーク(1985-)の「4つの衝動」は2009年の作品。4つの短い楽章で構成されています。第1楽章「ラルゴ」はゆったりとしたホルン・アンサンブルです。第2楽章「アンダンテ」はホルンのソロがきれいに響きます。3本のホルンと共に良い響きです。第3楽章「アレグロ・コン・フォコ」は快適なテンポで4本のホルンが元気そうに歌います。きれいな演奏です。第4楽章「アンダンテ・グラチオーソ・コン・モヴィメント」は4本のホルンがきれいに響きます。主題を歌うホルンもきれいです。このホルン・アンサンブルは見事な演奏です。
 マシュー・ホイットール(1975-)の「アンセムU」は2009年に書かれた小品です。ホルンがゆったりときれいに響きます。奥深い響きも聴かれます。残響がきれいです。
 テリエ・ビョルン・レシュタード(1955-)の「レチタティーヴォとファンファーレ」はフォース・ラインホルン四重奏団の編曲です。第1楽章「アンダンテ」はレチタティーヴォのようで、きれいな演奏です。ホルンの美しさがあります。ミュートも使われています。第2楽章「アレグロ・モデラート」はファンファーレになります。太鼓のような音も聞こえます。4本のホルンが元気に歌います。楽しそうなアンサンブルです。
 エルッキ・メラルティン(1875-1937)の「4つのホルンのための小四重奏曲」は1936年の作品。これを1990年にホルゲル・フランスマンが編曲しました。3つの短い楽章で構成されています。第1楽章「アレグレット」はきれいなホルンの響きです。楽しそうな演奏です。きれいな主題です。第2楽章「アンダンテ」はホルンのソロがきれいです。4人が楽しそうに歌っているように聞こえます。第3楽章「アレグロ」は速いテンポで細やかなフレーズを歌います。短い楽章ですが、このホルン・アンサンブルの見事な演奏が聴かれます。素晴らしい演奏のアルバムです。


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