ジョルジュ・バルボトゥのホルン作品

ホルン、フルートとハープのためのエスキース/ブルース・ボンネル(2005)
CD(CENTAUR CRC2944)

ホルン、フルートとピアノのための室内楽作品集
1.イウェイゼン/バラード、パストラールと舞曲
2.テレマン/協奏曲ヘ長調
3.ドップラー/牧歌「リジの思い出」Op34
4.ミュラー/セレナーデOp15
5.ジャン・バッハ/フルートとホルンのための
      「2-ビット・コントラプションズ」
6.バルボトゥー/ホルン、フルートと
         ピアノのためのエスキース

  ブルース・ボンネル(ホルン)(1〜6)
  ヴィエリ・ボタツィーニ(フルート)(1〜6)
  ピーター・グリーン(ピアノ)(1〜4&6)
  録音 2005年5月30日〜6月5日

 ブルース・ボンネルはアメリカのホルン奏者、ヴィエリ・ボタツィーニはイタリアのフルート奏者、そしてピーター・グリーンはカナダのピアニストです。
 エリック・イウェイゼン(1954〜)の作品は第1曲「バラード」、第2曲「パストラール」、第3曲「ダンス」の3曲による組曲になっています。フルートの透明な音色、ホルンのまろやかな音色の「バラード」は美しい響きがあります。ピアノのきらめきも素晴らしい。また中間部の速いテンポは圧巻。「パストラール(田園曲)」はホルンの美しい主題とフルートの対話が聴きどころ。「ダンス」は速いテンポで楽しい曲です。
 テレマンの協奏曲ヘ長調はターフェルムジークの中の1曲、3つの楽章からなりまさにバロックの響きです。
 ドップラーの「リジの思い出」は冒頭のフルートが「ハンガリー田園幻想曲」を思わせる素晴らしいソロです。続くホルンのソロもまた牧歌的で、ホルンファンにはたまらない作品でしょう。
 ベルンハルト・ミュラーはドップラーと同時期の19世紀の作曲家、「セレナーデ」はロマン的なメロディがホルンで演奏されフルートの装飾音がきらめく美しい小品です。
 ジャン・バッハ(1937〜)はアメリカの作曲家、「2-ビット・コントラプションズ」はフルートとホルンのデュオ作品で第1曲「セカンド・リューテナント(少尉)」、第2曲「カリオペ(蒸気オルガン)」、第3曲「グラモフォン(蓄音機)」、第4曲「ピンフィール(かざぐるま)」の4つの小品で構成されています。それぞれに副題があり面白いほどに標題音楽のように聞こえてきます。
 バルボトゥの「ホルン、フルートとハープのためのエスキース」はバルボトゥの作品とは思えないほどロマンティックな作品です。
ドップラーの作品かと思うようなフルートのメロディの美しさがあります。この曲はほとんどフルートが主役といっても良い作品です。ボタツィーニのフルートが冴え渡ります。最後を飾るに相応しい小品です。


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