J・S・バッハ/ブランデンブルク協奏曲第1番

モーリス・アンドレ&ロベール・タサン(1973)
CD(DENON COCO-73022/3)2枚組

バッハ/ブランデンブルク協奏曲全集
CD1
1.ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調BWV1046
2.      〃       第2番ヘ長調BWV1047
3.      〃       第3番ト長調BWV1048
CD2
4.ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調BWV1049
5.      〃       第5番ニ長調BWV1050
6.      〃       第6番変ロ長調BWV1051

  ジェラール・ジャリ(ヴァイオリン)(1〜5)
  ピエール・ピエルロ(オーボエ)(1&2)
  ジャック・シャンボン(オーボエ)(1)
  クロード・メゾヌーヴ(オーボエ)(1)
  モーリス・アンドレ(ホルン)(1)
  ロベール・タサン(ホルン)(1)
  ポール・オンニュ(ファゴット)(1)
  モーリス・アンドレ(トランペット)(2)
  ジャン=ピエール・ランパル(フルート)(4&5)
  アラン・マリオン(フルート)(4)
アンヌ=マリー・ベッケンシュタイナー(チェンバロ)(3、5&6)
  ベルナール・フォントニ(チェロ)(3&6)
  ジャン=フランソワ・パイヤール指揮
   パイヤール室内管弦楽団
    録音 1973年6月

 パイヤールのブランデンブルク協奏曲はこの1973年の録音ではモーリス・アンドレがホルンを吹くという話題のものでした。管楽器はランパル、ピエルロ、オンニュ、トランペットのアンドレとエラートの名手揃いでした。
 1番は明るい音色のフランスのバッハともいえそうな演奏です。アンドレとタサンのホルンは1番を吹くアンドレのホルンがほとんどフリューゲルホルンのようでどちらかというと太い音色のトランペットのようです。楽器はディスカントホルンと思います。第3楽章はまさにモーリス・アンドレのホルンです。トランペットの吹き方そのままにホルンを吹いているようです。第4楽章のトリオでは明るい響きのホルンがかつてのフランスのホルンを聞いているようです。なおオーボエ、ファゴットの演奏は申し分ありません。楽しくなります。
 2番のトランペットはこれ以上望めない完璧で美しい演奏です。ここまできれいな音色で高域を吹く演奏家はいないでしょう。モーリス・アンドレここにありの完璧な演奏です。アンドレの演奏に隠れてピエルロやジェラール・ジャリのソロも霞んでしまいます。第3楽章のトランペットはきれいで完璧そのものです。
 第3番は弦楽合奏の美しい響きがあります。なお第2楽章冒頭にチェンバロのカデンツァが挿入されています。トッカータBWV915ということです。
 第4番のフルートはランパルとアラン・マリオンの師弟コンビによる演奏です。バッハの録音も多いランパルの演奏は素晴らしいものです。フルートの華麗な演奏が存分に楽しめます。
 第5番はランパルのフルート、ジェラール・ジャリのヴァイオリン、ベッケンシュタイナーのチェンバロによる演奏です。冒頭の軽やかな弦楽による演奏に続くフルート、ヴァイオリン、チェンバロがさわやかです。ベッケンシュタイナーのチェンバロ独奏が聴きものです。
  第6番はヴィオラ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェロと通奏低音によります。ここではガンバの代わりにチェロを使っています。第1楽章から素晴らしい響きになっています。この作品はヴィオラが主役のようになって演奏していますがチェロの響きも良いものです。パイヤールの演奏はさすがに素晴らしい。


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