ロウェル・ショー/ホルン作品

フリッパリー・スタイル全曲/山本 真、他(2003&08)
CD(自主制作盤)3枚組

ローウェル・ショー/フリッパリー・スタイル全曲
CD1
1.ジャスト・デザーツ(フリッパリー・スタイル)
      (ソロ・ホルンのための:全12曲)
2.トリッパリー第4番(ソロ・ホルン版)
3.ジングル・ベル(一人四重奏)
     山本 真(ホルン)(1〜3)
CD2
4.ビッパリーズ(2本のホルンのための)(全9曲)
   山本 真(第1ホルン:1&2番、第2ホルン3〜9番)
  友田 雅美(第2ホルン:1&2番)
   古田儀左エ門(第1ホルン:3〜9番)
5.トリッパリーズ(3本のホルンのための)(全4曲)
   古田儀左エ門(第1ホルン)
   友田 雅美(第2ホルン)
   山本 真 (第3ホルン)
6.クイッパリーズ(5本のホルンのための)(全8曲) 
  山本真コーンステレーション・ホルン・クインテッ
  古田儀左エ門(第1ホルン)
   山本 真  (第2ホルン)
  友田 雅美 (第3ホルン)
   田場 英子 (第4ホルン)
   大東  周 (第5ホルン)
CD3
7.フリッパリーズ(4本のホルンのための)(全36曲)
  CONNホルン同盟ホルン・カルテット
  古田儀左エ門(第1ホルン)
   山本 真  (第2ホルン)
  田場 英子 (第3ホルン)
   大東  周 (第4ホルン)
  録音 2008年1月〜5月(1〜6)
      2003年2月〜8月(7)

 山本 真が還暦を記念して録音したローウェル・ショーの「フリッパリー・スタイル作品」全曲です。ショーのフリッパリーズはよく知られており4本のホルンのためのエチュードとしてよく演奏されています。ショウはフリッパリースタイルの作品として、ホルン・ソロのためには「ジャスト・デザーツ」を12曲、2本のホルン(デュオ)のためにはビッパリーズを9曲、3本のホルン(トリオ)のためにはトリッパリーズを4曲、4本のホルンのためにはフリッパリーズを10集まで40曲、5本のホルンのためにはクイッパリーズを2集まで8曲を作曲しています。(他にもショーは4本のホルンのためにバッハの作品などを編曲しています)
  ソロ・ホルンのためのジャスト・デザーツ(フリッパリー・スタイル)は12曲あります。フリッパリー・スタイルとはアメリカならではのジャズ・スタイルのことです。12曲の中にはスウィングの指定が6番、7番、9番と11番にあります。山本先生のソロはコーン8Dを吹いてまさにアメリカのホルンのように響きます。スウィングするホルンはなんとも楽しいものです。このソロ・ホルンのための「ジャスト・デザーツ」はエチュードとしては奥の深いものでしょう。山本先生の録音は世界初にして唯一ですから良いお手本として勉強していただきたいと思います。
  ボーナス・トラックとしてトリッパリー第4番のソロ・ホルン版が録音されています。トリオのソロ版編曲ですから大変忙しい曲になっています。超絶技巧の独奏ホルン作品です。演奏は完璧です。(なお録音は他にミシェル・ステブルトンがあります)
  ジングル・ベルはショーの編曲でホルン四重奏ですが、山本先生は一人で4つのパートを多重録音しています(一人四重奏)。編曲はやはりジャズ・スタイル(フリッパリースタイル)になっています。楽しい作品です。
  2本のホルンのためのビッパリーズは9曲になっています。2本のホルンのからみあいといった感じの小品です。どちらかといえば中音域の多い作品ですからエチュードとしては楽しいのではないでしょうか。山本先生は1番と2番だけトップを吹いてあとの7曲はセカンドを吹いています。この演奏は息がピッタリで。古田儀左エ門氏とのコンビは絶妙です。なお、9曲に副題がついていますがフリッパリー的な名づけのようです。作風ですがジャズスタイルでありながらスウィングはないようです。演奏は楽しいと思われますので、ホルンのエチュードとしてお勧めしたいです。
  3本のホルンのためのトリッパリーズは4曲です。第1曲「やさしいスウィング」、第2曲「ファンキー」、第3曲「マルカート」、第4曲「ファースト(速く)」からなっています。ホルンが3本になると厚みだけでなく音の広がりと深みがあります。第3曲「マルカート」が面白いです。フーガのような追いかけがあります。また軽いスウィングがあります。第4曲は速いテンポで細かいフレーズが目まぐるしく動きますので合わせるのが大変なようです。もちろん見事な演奏です。
  5本のホルンのためのクイッパリーズは第1集4曲、第2集4曲の8曲からできています。もはやこのアンサンブルは和音の素晴らしさを聞くかのようです。第2曲の「スロー・バラード」は黒人霊歌のようできれいなメロディの連続です。5本のホルンが作る響きの素晴らしさは絶品。第3曲「ヴァルス(ワルツ)」はきれいなワルツです。第4曲「軽く、そして速く」はジャズ・スタイルのご機嫌な曲です。息がピッタリ合えばこれはまさにご機嫌な曲になります。そして最後の第8曲が「速く、そして軽く」(第4曲と逆の指定)というのですからジョークもかなりのものです。演奏は抜群です。録音していただいて感謝感謝です。
 フリッパリーズは2003年の録音ですが、リマスターされたようで音質が向上しています。36曲の録音は他にありませんのでアンサンブルをするときの良いお手本になります。フリッパリーズは2分程度の小品の組曲ですが、36曲の演奏は大変です(演奏時間71分)。アメリカのコーンを吹く4人の演奏はまさにアメリカン・スタイルで素晴らしい演奏です。この曲の楽しさを教えてくれます。第1集はまさにアメリカを感じさせる音楽、第4集の4曲が「サムシング・オールド」から「サムシング・ブルー」までなんとも楽しいです。第5集の第1曲「リンキー・ディンク・マーチ」は演奏も聞くほうも楽しくなります。第3曲「スウィング・ワルツ」は4本のホルンがスウィング、スウィングのワルツでこのフリッパリーズの中でも楽しい曲ではないでしょうか。第6集の第2曲「ハッピー・ミュージック」はハッピーになりそうです。第7集の第2曲は「やさしいスウィング」となっていて4本のホルンが仲良くスウィングします。これが大変なことは容易に想像できます。第8集の第1曲「スロー・タンゴ」はこのフリッパリーズの中では異色ともいえるタンゴ風の作品です。第8集と第9集の第4曲は「ムーヴィング・アロング」で「前に進もう」という意味の前向きの音楽です。「ジャズスタイルで気楽にいこうよ」と言っているような楽しい曲です。
  個人的にはこのフリッパリー・スタイルの作品集の中では「フリッパリーズ」が最も完成度が高いと思います。聞いていてその楽しいこと、音楽としての響きの良さ、もはやエチュードではなく完成された作品です。山本先生が全作品を録音されたことは世界に誇れるものです。感謝したいと思います。

                 
  このアルバムは一般のCDショップでは買えませんが、山本先生のオフィシャル・ホームページから購入できます。遠慮なくご注文いただければ先生から直接送っていただけます。「第5番の部屋」の推薦盤です。
  購入方法山本真オフィシャルサイトご購入方法をクリックしてCD注文フォームからお申し込みください。


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