アンサンブル

スイスのホルン四重奏曲集 Vol.1/ドープラ・ホルンカルテット
CD(MIGROS MGB CD6226)

スイスのホルン四重奏曲集 Vol.1
1.テンプルトン・ストロング/レジェンド(伝説)
2.エリク・セーケイ/オーバードとセクエンス
3.エルンスト・ウィドマー/パノラマ
4.ダニエル・リエンハルト/パーティクル
5.クラウス・コーネル/リメモランシズ
6.アンドレアス・プフリューガー/レゾナンゼン
7.ローランド・モーゼル/トン・イン・トン

  ドープラ・ホルンカルテット
  ペーター・ブロミク(ホルン)
  ダニエル・リエンハルト(ホルン)
  オリヴィエ・ダルベレイ(ホルン)
  イェルク・ドゥセムント(ホルン)
  録音 2004年10月19〜21日

 スイスのホルン・アンサンブル、ドープラ・ホルンカルテットによるスイスのホルン四重奏曲集です。ベルン交響楽団の首席オリヴィエ・ダルベレイがメンバーになっている注目のアルバムです。
 ジョージ・テンプルトン・ストロング(1856〜1948)のレジェンド(伝説)はモデラート・アンダンテ/アレグロ・モルト/アダージョ/アレグロの4つ部分から構成されています。穏やかな雰囲気のモデラート・アンダンテに続いて快活なアレグロ・モルトは狩のホルンのようです。アダージョはミュートを使って静けさを表現しているかのようです。アレグロは狩のホルンの再現です。
 エリク・セーケイ(1927〜)の「オーバードとセクエンス」はオーバード(朝の歌)では冒頭ミュートを使いながら朝の雰囲気を出しています。スケルツォの部分では軽やかな響きのホルンがきれいです。「セクエンス」はにぎやかな雰囲気の小品です。
 エルンスト・ウィドマー(1927〜1990)の「パノラマ」は面白い音楽です。5つの部分から構成されていて第1曲「地平線」はまさに地平線を大パノラマで見ている様子を音楽にしたようです。雄大な自然、そこまでに見える山や森林などを表現しているようです。第2曲「Vertical(垂直の)」は山の切り立った様子を音楽にしています。これを4本のホルンで表現します。第3曲「Obliquo(傾斜)」はホルンの和音とリズムの交錯で表現しています。第4曲「Canone(カノン)」はフレーズの連続で追いかけます。第5曲「タンジェント」は穏やかに始まります。この作品は全5曲で11分ほどですが、大変美しい作品です。
 ダニエル・リエンハルト(1955〜)はベルン交響楽団のホルン奏者で、「パーティクル」は1978年にホルン四重奏のためにかかれ1980年に改訂しています。低音に厚みをもたせた素晴らしい小品です。中間部にワルツが聞こえるのが面白い。
 クラウス・コーネル(1932〜)の「リメモランシズ」は2004年の作品、5つの部分で構成されています。第1曲と第5曲は「カリヨン」で多くの鐘を鳴らす様子が歌われています。第2曲「忍び足で」は静かな音楽、第3曲「孤独な歌と踊り」は寂しげな音楽です。第4曲「ラッペル」は崖を降りるように下降音階が流れます。
 アンドレアス・プフリューガー(1941〜)の「レゾナンゼン」は1987年の作品で2002年に改訂され7つの楽章で構成されています。遅いテンポの楽章と速いテンポの楽章が交互に演奏されています。第5楽章はミュートを使って静かに始まります。ほとんど低音域です。第6楽章はやや速いテンポ、第7楽章はリズムの交錯で現代的な響きが流れます。
 ローランド・モーゼル(1943〜)の「トン・イン・トン」は1990年の作で1997年に改訂されています。細かいフレーズがストーリーを感じさせる小品です。ミュートも使われています。


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