アンサンブル

スイスのホルン四重奏曲集 Vol.2/チューリヒ・ホルンカルテット
CD(MIGROS MGB CD6227)

スイスのホルン四重奏曲集 Vol.2
1.ジュリアン=フランソワ・ツビンデン/3つの小品
2.リヒャルト・フルーリー/ホルン四重奏曲
3.カルロ・フロリンド・セミニ/ディヴェルティメント・プレイストリコ
4.アルフォンス・ロイ/ホルン四重奏曲
5.ジャン=リュック・ダルベレイ/アズール

  チューリヒ・ホルンカルテット
  カール・ファスラー(ホルン)
  パウロ・ムニョス=トレド(ホルン)
  ハンナ・ホルダー(ホルン)
  ハイネル・ワンナー(ホルン)
  録音 2004年10月11〜13日

 スイスのホルン・アンサンブル、チューリヒ・ホルンカルテットによる20世紀スイスのホルン四重奏曲集です。チューリヒで活躍するメンバーで構成されています。
 ジュリアン=フランソワ・ツビンデン(1917〜)の3つの小品は1953年の作品。第1曲「プレリュード」ではどこかで聴いたようなメロディが流れてきます。中でも日本の「さくらさくら」のようなメロディは思わず微笑んでしまいます。終結はテンポアップします。第2曲「アリア」は穏やかなアンダンテ、きれいなメロディと和音が響きます。第3曲「フィナーレ」はアレグロでホルン四重奏の楽しさを満喫できそうな小品です。
 リヒャルト・フルーリー(1896〜1967)のホルン四重奏曲は1954年の作品。4つのヴァルトホルンのための四重奏曲で森のホルンをイメージした作品と思われます。4つの小品で構成され、第1曲「アンダンテ」はホルン四重奏の美しい響きを前面に出した小品。第2曲「スケルツォ」は狩のホルンのように軽快なフレーズが続く小品。第3曲アンダンテ・ソステヌートはホルンの和音が美しく流れる小品。第4曲「プレスト」は快活なフレーズと穏やかな部分があります。
 カルロ・フロリンド・セミニ(1914〜2004)の「ディヴェルティメント・プレイストリコ」は1957〜58年の作品。4つの小品で構成されています。第1曲は穏やかな雰囲気でミュートを使いながら演奏します。第2曲は狩の曲でホルンの明るく軽快なメロディが流れます。第3曲はセレナード風の小品で哀愁的なメロディが流れます。第4曲はお祭り風のにぎやかな小品です。よくできた作品でリサイタルで演奏されてもよいでしょう。
 アルフォンス・ロイ(1906〜2000)のクロマティック・ホルンのための四重奏曲は1953年の作品。3つの楽章で構成され、第1楽章「モデラート」はわかりやすい主題で4つのホルンが掛け合いながら音楽を作り出します。第2楽章「アンダンテ」はノクターン風の音楽、第3楽章「アレグロ・デチーソ」は第1楽章同様4つのホルンが掛け合いながら演奏する楽しそうな作品です。
 ジャン=リュック・ダルベレイ(1946〜)の「アズール」は2001年の作品。静かに静かに始まりロングトーンの和音が長く続きます。やがて中間部になると三連音符の連続するクライマックスになります。各パートが緊張感を持ちながら演奏する難曲といえましょう。


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