シューベルト/八重奏曲

ゲルト・ザイフェルト(1971)

CD(DECCA PROC−1605/6)

1.ベートーヴェン/七重奏曲変ホ長調Op20
2.シューベルト/八重奏曲ヘ長調Op166、D80

  ベルリン・フィルハーモニー八重奏団
  ヘルベルト・シュテール(クラリネット)
  ゲルト・ザイフェルト(ホルン)
  ハンス・レムケ(ファゴット)
  アルフレート・マレチェエク(ヴァイオリン)
  フェルディナント・メツガー(ヴァイオリン)(2)
  土屋 邦雄(ヴィオラ)
  ペーター・シュタイナー(チェロ)
  ライナー・ツェペリッツ(コントラバス)
  録音1972年11月23〜25日(1)
     1971年4月16〜19日(2)

 このアルバムはベルリン・フィル八重奏団のベートーヴェン/七重奏曲とシューベルト/八重奏曲の第2回目の録音をまとめたものです。
 ベートーヴェンの「七重奏曲変ホ長調」は70年代のベルリン・フィルの縮図のような演奏です。第1楽章はクラリネットとヴァイオリンがリードするこの曲を勢いのある演奏で引っ張っています。7つの楽器がピタッときまると残響もきれいです。第2楽章「アダージョ・カンタービレ」はクラリネットのきれいな主題に始まりヴァイオリンに受け継がれます。ホルンのソロもあります。第3楽章「メヌエット」は親しみやすい主題に始まります。トリオにはホルンのソロがあります。第4章の主題と変奏は足取り軽い主題が大変きれいです。それぞれの変奏が楽しそうに聞こえます。第5楽章「スケルツォ」はホルンで始まります。このホルンがリードするところが楽しいです。トリオのチェロが優雅に歌うところも聞き逃せないでしょう。第6楽章は序奏でホルンが哀愁的な主題を吹いています。プレストからは息の合った見事なアンサンブルを聞かせます。
 シューベルトの「八重奏曲」はヴァイオリンが2本になります。第1楽章前奏のアダージョに続くアレグロでは整然としたアンサンブルが聞かれます。クラリネットの主題に続くホルンの響きがきれいです。この楽章では同じ音型が楽器を変えてなんども繰り返されます。コーダはザイフェルトのホルンで終わります。第2楽章:アダージョはクラリネットで始まる穏やかな雰囲気がきれいです。中間部ではホルンソロがきれいに歌われます。ザイフェルトのレガートがきれいです。第3楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェは快活なスケルツォです。トリオに響くクラリネットとザイフェルトのホルンが鮮やかに聞こえてきます。 第4楽章:アンダンテは主題と変奏曲、「ロザムンデ」の間奏曲を思わせるような主題に始まります。クラリネットとヴァイオリンの美音が素晴らしい響きです。ザイフェルトの吹くホルンの変奏は力まずきれいなホルンです。第5楽章:メヌエットはこの曲の中でも最も美しいといえる楽章です。クラリネットの美しい主題が転調しながら歌われ弦楽器、ホルンに受け継がれていきます。ザイフェルトのホルンが優しく響きます。第6楽章:アンダンテ・モルト〜アレグロは劇的な前奏に続くアレグロは壮大なフィナーレでまさにベルリン・フィルの演奏を聞いているかのようです。演奏時間54分20秒


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