J・S・バッハ/ブランデンブルク協奏曲第1番

ジョナサン・ウィリアムズ&スティーヴン・スターリング(1994)
CD(DGG 445 578-2)2枚組

バッハ/ブランデンブルク協奏曲全集
CD1
1.ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調BWV1046
2.      〃       第2番ヘ長調BWV1047
3.      〃       第3番ト長調BWV1048
4.オーボエ・ダモーレ協奏曲イ長調BWV1055
5.オーボエ協奏曲ニ短調BWV1059
CD2
6.ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調BWV1049
7.      〃       第5番ニ長調BWV1050
8.      〃      第6番変ロ長調BWV1051
9.オーボエ協奏曲ヘ長調BWV1053

  ジョナサン・ウィリアムズ(ホルン)(1)
  スティーヴン・スターリング(ホルン)(1)
  ダグラス・ボイド(オーボエ)(1、2、5&8)
       〃  (オーボエ・ダモーレ)(4)
  マーク・プレジャー(オーボエ)(1)
  エリザベス・ファイフェ(オーボエ)(1)
  マシュー・ウィルキー(ファゴット)(1)
  マリーケ・ブランケスティン(ヴァイオリン)(1、2、4&5)
  マーク・ベネット(トランペット)(2)
  ティエリー・フィッシャー(フルート)(2、6&7)
  Josine Buter(フルート)(6)
  イアン・ワトソン(チェンバロ)(3、7&8)
  ダグラス・ボイド指揮
   ヨーロッパ室内管弦楽団
   録音 1994年4月(1、3&8)
       1990年1月(2、6&7)
       1989年3月(4、5&9)

 オーボエ奏者ダグラス・ボイドがソロと指揮をしたバッハのランデンブルク協奏曲全集とオーボエ協奏曲です。ブランデンブルク協奏曲の第1番はホールトーンの良いテアトロ・コムナーレでの録音で快い響きがたまりません。調和のとれたオーボエとホルンがさわやかな演奏になっています。2人のイギリスのホルン奏者によるバッハは大変きれいです。ダグラス・ボイドはオーボエをモーリス・ブルグの師事しており。ヨーロッパ室内の首席奏者でした。最近は指揮活動に専念のようです。第2楽章では良い響きのオーボエ・ソロが聞かれます。第3楽章のアレグロは速めのテンポで演奏されます。第4楽章はやや速めのメヌエットでホルンがきれいです。第1トリオはファゴットとオーボエの美しいアンサンブルになります。中間のポロネーズは弦楽のきれなアンサンブルでやや速いテンポで演奏しています。第2トリオのホルンとオーボエの演奏は大変速いテンポで鮮やかな演奏が素晴らしい。
 第2番はマーク・ベネットのピッコロ・トランペットが大変素晴らしい演奏できれいな響きが聞かれます。第2楽章はオーボエ、ヴァイオリン、フルートの快い響きにうっとりさせられます。第3楽章はトランペットの高い音域がきれいに演奏されて、華やかです。
 第3番は弦楽合奏による重厚な響きが聞きどころでしょう。第2楽章にあたる短いアダージョには珍しくヴァイオリンのカデンツァが入ります。第3楽章は速いテンポできれなアンサンブルを聞かせます。
 オーボエ・ダモーレ協奏曲イ長調BWV1055はハープシコード(チェンバロ)協奏曲第4番イ長調BWV1055、ヴィオラ・ダ・モーレ協奏曲イ長調BWV1055aと同じ曲です。バッハの美しい響きは同じです。オーボエ協奏曲ニ短調BWV1059はハープシコード(チェンバロ)協奏曲第8番ニ短調BWV1059と同じ曲です。
 ブランデンブルク協奏曲の第4番は2本のフルートがヴァイオリンと対話をしながら明るく響きます。このフルートはリコーダーのように明るすぎない響きで気持ち良い演奏です。第5番の演奏はさわやかな弦楽合奏の序奏からフルート、ヴァイオリン、チェンバロが対話するように絡み合う名曲名演奏です。フィッシャーのフルート、ブランケスティンのヴァイオリンが大変美しい響きでこの曲を十分に堪能できます。ワトソンの長大なチェンバロ・ソロがまた素晴らしい。第3楽章の跳ねるようなリズムは何度聞いても楽しいものです。
 第6番はヴァイオリンが入らない中音域、低音域だけの合奏ですが重くるしくないさわやかな演奏です。第3楽章の楽しそうな演奏が見事です。最後のオーボエ協奏曲ヘ長調BWV1053はハープシコード(チェンバロ)協奏曲第2番ホ長調BWV1053の原曲とされます


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