その他のホルン作品

ヴァージニア・トンプソン/ホルンとピアノのための現代作品集

CD(Mark Masters 7654-MCD)

ホルンとピアノのための現代作品集
1.ヘ・ジャンジュン/ホルン・ソナタ(2005)
2.ボイセン.Jr/ホルンとピアノのための「夜の歌」 
3.トライザル/コンチェルト・グロッソ3つの楽章
4.レフコフ/ホルンとスピーカーのための音楽
5.G・シュトックハウゼン/
      生命の遍在するエネルギー(2000)

  ヴァージニア・トンプソン(ホルン)(1〜5)
  ジェームズ・ミルテンベルガー(ピアノ&電子楽器)
  録音 2007年3月23日(1)
      2007年4月13日(2)
      2007年5月8日(3)
      2008年1月25日(4)
      2007年12月18日(5)

 ヴァージニア・トンプソンはアメリカの女性ホルン奏者で、ヴァージニア大学のホルン教授です。
 ヘ・ジャンジュンのホルン・ソナタは2005年の作品。かなりの難曲のようです。第1楽章:アダージョ、モデラートはトンプソンがバリバリホルンを吹いています。ホルンの音色も男性的で、力強い響きになっています。第2楽章:ラルゲットで短い安らぎがあると思えばすぐに強烈なフレーズがきます。第3楽章:アレグロは緊張感豊かでホルン演奏の限界までいきそうな難曲で、最後はグリッサンドの連続です。
 アンドリュー・ボイセン.Jrのホルンとピアノのための「夜の歌」は1995年の作品。夜の歌らしく低音から始まります。やがてテンポアップして強烈な主題を吹いてきます。夜の歌というより、狼の遠吠えのようです。 
 ギルバート・トライザルのコンチェルト・グロッソ3つの楽章は2005年の作品。ホルンとウィンドコントローラー(電子楽器)のための作品です。この録音は録音エンジニアの調整が難しいところですが実に絶妙な録音です。トンプソンのホルンは力まずバランスの良い演奏です。5分あまりの作品。
 ジェラルド・レフコフのホルンとスピーカーのための音楽は1991年の作品。こちらもホルンと電子楽器によるものです。連続するホルンと電子楽器の対話が面白いです。電子楽器の硬い響きとホルンのやわらかな響きの対比が実に面白いです。6分ほどの作品。
 ガブリエル・M・シュトックハウゼンの「生命の遍在するエネルギー」は2000年の作。彼は20世紀現代音楽の作曲家カールハインツ・シュトックハウゼンとは遠縁にあたるそうです。「生命の遍在するエネルギー」はホルンとピアノのための作品で、ピアノも現代的な響き、ホルンは長いミュートの部分が印象的です。力強いエネルギーに満ちた演奏です。


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