その他のホルン作品

フェリクス・デルヴォー/ナッセン/ホルン協奏曲
CD(RCO RCO17004)

1.マクミラン/トロンボーン協奏曲
2.ナッセン/ホルン協奏曲Op28(1994)
3.アリ=ザデー/ナシミ受難曲

 ユルゲン・ファン・ライエン(トロンボーン)(1)
 フェリクス・デルヴォー(ホルン)(2)
 イヴズ・アブドゥーラ(バリトン)(3)
 イヴァン・フィッシャー指揮(1)
 ライアン・ウィグルスワース指揮(2)
 マーティン・ブラビンズ指揮(3)
  ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(1〜3)
  オランダ放送合唱団(3)
 録音2017年4月20〜23日(1)
    2017年5月11&12日(2)
    2017年4月7&9日(3)
    コンセルトヘボウ・ライヴ

 ロイヤル・コンセルトヘボウのライヴ録音シリーズの1枚です。ナッセンのホルン協奏曲以外は世界初演です。
 ジェームズ・マクミランン(1959〜)のトロンボーン協奏曲はこれが世界初演です。3つの楽章で構成されています。第1楽章は現代作品らしい響きながらもラルゲット〜アレグロ〜テンポ・プリモというテンポの変化があります。トロンボーンの特徴を生かした作品です。第2楽章は15分という長さの中でテンポの変化があります。トロンボーンの卓越した腕前が披露されています。第3楽章は短い演奏時間の中にテンポの変化、ハイテクニックを要する難曲ですが、ライエンの名演奏が素晴らしい。
 オリヴァー・ナッセン(1952〜)のホルン協奏曲はバリー・タックウェルのために書かれ、1994年にサントリーホールで初演されています。この録音はタックウェルに次ぐものです。デルヴォーのホルンは序奏の後に響くソロからタックウェルが吹いているような気がするほど吹き方が似ています。この作品では低音のソロが続くところがあります。またパーカッションやティンパニが活躍するところはナッセンらしいです。カデンツァではテクニックが要求されます。デルヴォーのホルンは素晴らしい演奏です。 
 フランギス・アリ=ザデー(1947〜)の「ナシミ受難曲」はこれが世界初演です。オーケストラの長い前奏のあとにソプラノのヴォカリーズが聞こえて、そのあとに合唱が入ります。現代作品ですが、宗教曲ですから難解な作品ではありません。素直に聞ける良い作品です。バリトン独唱は第3曲に入ります。合唱は入りません。第4曲は合唱が入ります。第5曲は「インテルメッツォ(間奏曲)」でヴァイオリン・ソロがあります。合唱も入ります。第6曲はティンパニが響く荘厳な曲でバリトン独唱が入ります。聴きごたえのある名作です。


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