シューベルト/八重奏曲

フランク・ロイド(1987)
CD(Virgin cassics 7243 5 61409 2 9)

1.ベートーヴェン/七重奏曲変ホ長調Op20
2.   〃   /クラリネット三重奏曲変ロ長調Op11
             「街の歌」
3.シューベルト/八重奏曲ヘ長調Op166、D80

 ナッシュ・アンサンブル
  マイケル・コリンズ(クラリネット)(1〜3)
  フランク・ロイド(ホルン)(1&3)
 ブライアン・ワイトマン(ファゴット)(1&3)
 マルシア・クレイフォード(ヴァイオリン)(1&3)
 ジェレミー・ウィリアムズ(ヴァイオリン)(3)
 ロジャー・チェイス(ヴィオラ)(1&3)
 クリストファー・ファン・カンペン(チェロ)(1〜3)
 ロドニー・スラットフォード(コントラバス)(1&3)
 イアン・ブラウン(ピアノ)(2)
  録音 1989年11月(1)
      1989年10月(2)
      1987年12月(3)

 イギリスのナッシュ・アンサンブルによるベートーヴェンとシューベルトの室内楽作品です。
 ベートーヴェンの七重奏曲は第1楽章の序奏の響きが重厚です。主部のクラリネットとヴァイオリンの勢いのある演奏が見事です。展開部のホルンのソロもやわらかな響きが印象的です。第2楽章「アダージョ・カンタービレ」はクラリネットのきれいな主題に始まりヴァイオリンに受け継がれます。ファゴットとホルンのソロもあります。ホルンの哀愁的な歌がきれいです。第3楽章「メヌエット」は親しみやすい主題に始まります。心がはずむような主題です。トリオにはホルンの鮮やかなソロがあります。第4章の主題と変奏は軽快な主題が大変きれいです。続く変奏はスタッカートが素晴らしい。ヴァイオリンや木管楽器の変奏が楽しそうに聞こえます。ホルンの変奏も良い響きです。第5楽章「スケルツォ」はホルンで始まります。このホルンがリードするところが楽しいです。トリオではチェロが優雅に歌います。第6楽章は序奏でホルンが哀愁的な主題を吹いています。ヴァイオリンが続きます。プレストからは息の合った見事なアンサンブルを聞かせます。ヴァイオリンが主題を提示します。ホルンの響きが印象的です。最後にヴァイオリンのカデンツァが入ります。
 ベートーヴェンのクラリネット三重奏曲はピアノ三重奏曲第4番変ロ長調「街の歌」の別名になります。クラリネット、チェロとピアノのためのトリオで、クラリネットの代わりにヴァイオリンで演奏されることもあります。第1楽章:アレグロ・コン・ブリオ、第2楽章:アダージョ、第3楽章:アレグレット:主題と変奏となっています。クラリネットの調べが大変美しい作品です。 「街の歌」の愛称は、当時ウィーンで人気を博したJ.ヴァイグルの歌劇「船乗りの愛」のアリアを第3楽章の変奏曲の主題として用いたことによります。 
 シューベルトの八重奏曲は演奏に1時間もかかる大曲で室内アンサンブルのための交響曲といえます。1824年に書かれており「未完成」と「ザ・グレート」の間になります。シューベルトはホルンを大切にした曲が多いのですが、この曲にも重要なメロディーを吹かせています。
 第1楽章は前奏のアダージョから良い響きが聞かれます。続くアレグロでは素晴らしいアンサンブルが聞かれます。クレイフォードのヴァイオリンとコリンズのクラリネットが良い響きで歌います。続くフランク・ロイドのホルンが大変よい響きで流麗な演奏をしています。この楽章では同じ音型が楽器を変えてなんども繰り返されます。実に楽しいフレーズです。再現部はファゴットに始まって主題が各楽器に受け継がれながらホルンの素晴らしいソロで終わります。第2楽章:アダージョはコリンズのクラリネットで始まる穏やかな雰囲気がきれいです。そしてクラリネットとヴァイオリンの対話がまた美しいです。中間部では緻密なアンサンブルが素晴らしい。フランク・ロイドのホルンとクレイフォードのヴァイオリンとの対話がまたきれいです。コーダのコントラバスのピツィカートは印象的です。
 第3楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェは快活なスケルツォです。このアンサンブルの見事な演奏はシューベルトの音楽の美しさを改めて感じます。ユニゾーンの響きがきれいです。トリオも素晴らしい演奏です。第4楽章:アンダンテは主題と7つの変奏曲、シューベルトの歌劇「サラマンカの友人」から使われた主題に始まります。クラリネットとヴァイオリンの変奏が素晴らしい響きです。クラリネット、ファゴットとホルンの変奏も絶妙です。フランク・ロイドの吹くホルンの変奏が大変素晴らしい演奏で、絡むヴァイオリンもまた良い響きです。続くチェロの変奏も絶妙です。変化に富んだ7つの変奏曲は名作といえましょう。
 第5楽章:メヌエットはこの曲の中でも最も美しいといえる楽章です。クラリネットの美しい主題が流麗に歌われ弦楽器、ホルンに受け継がれていきます。クラリネット、ファゴット、弦楽器のユニゾーンの美しい響きもあって、優雅なメヌエットです。コリンズのクラリネットが素晴らしいです。第6楽章:アンダンテ・モルト〜アレグロはシューベルトの音楽の美しさがあります。劇的な前奏に続くアレグロはオーケストラのような素晴らしいアンサンブルでまとめています。
演奏時間60分02秒。


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