シューベルト/八重奏曲

ジャン=ミシェル・ヴィニ(1990)
CD(PIERRE VERANY VICC−57)

シューベルト/八重奏曲ヘ長調Op166、D803
  〜2つのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、
   コントラバス、クラリネット、ホルンと
  ファゴットのための

 カール・シュターミッツ・アンサンブル
 ジャン=ルイ・サジョ(クラリネット)
 長沼 由里子(ヴァイオリン)
 カトリーヌ・アルヌー(ヴァイオリン)
 ミシェル・ファルコナ(ヴィオラ)
 ポール・ブルータン(チェロ)
 ドミニク・ゲルエ(コントラバス)
 レジス・プラン(ファゴット)
 ジャン=ミシェル・ヴィニ(ホルン)
 録音 1990年1月3&4日フランス

 カール・シュターミッツ・アンサンブルは1979年に結成されたフランスの室内楽アンサンブルです。
 シューベルトの八重奏曲は演奏に1時間もかかる大曲で室内アンサンブルのための交響曲といえます。1824年に書かれており「未完成」と「ザ・グレート」の間になります。シューベルトはホルンを大切にした曲が多いのですが、この曲にも重要なメロディーを吹かせています。
 第1楽章は前奏のアダージョから緊張感のあるアンサンブが聞かれます。続くアレグロでは素晴らしいアンサンブルが聞かれます。ヴァイオリンとクラリネットが良い響きで歌います。ヴィニのホルンはフランスのホルンらしい明るい響きで力強い演奏をしています。大変目立つホルンです。こんな演奏が聴きたかったです。このアンサンブルは大変素晴らしい演奏を聞かせてくれます。サジョのクラリネットはフランスの管楽器の明るさもあります。名演です。この楽章では同じ音型が楽器を変えてなんども繰り返されます。再現部はバスーン(ファゴット)に始まって主題が各楽器に受け継がれながらホルンが朗々と歌って終わります。第2楽章:アダージョはサジョのクラリネットで始まる穏やかな雰囲気がきれいです。そしてクラリネットとヴァイオリンの対話が美しいです。ホルンもバスーン(ファゴット)も響きが厚いです。このアンサンブルの演奏は素晴らしい。ホルンとヴァイオリンとの掛け合いも大変きれいです。長沼由里子のヴァイオリンが大変良く響きます。コーダのコントラバスのピツィカートはやさしく響きます。
 第3楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェは快活なスケルツォです。サジョのリードするアンサンブルはここでも素晴らしい演奏をきかせています。クラリネットの演奏も素晴らしい。またユニゾーンの響きがきれいです。トリオはバスーン(ファゴット)が厚い響きで注目です。第4楽章:アンダンテは主題と7つの変奏曲、シューベルトの歌劇「サラマンカの友人」から使われた主題に始まります。クラリネットとヴァイオリンの変奏が素晴らしい響きです。クラリネット、ファゴットとホルンの変奏は厚い響きです。ヴィニの吹くホルンの変奏は朗々と歌う素晴らしい演奏です。そして絡む長沼のヴァイオリンもまた素晴らしい響きです。これには感動です。続くチェロの変奏も良い響きです。後半も勢いのある素晴らしい演奏で、変化に富んだ7つの変奏曲は名作といえましょう。
 第5楽章:メヌエットはこの曲の中でも最も美しいといえる楽章です。クラリネットの美しい主題が流麗に歌われ弦楽器、ホルンに受け継がれていきます。ヴィニのホルンは明るく華麗な演奏で大変素晴らしいです。クラリネット、ファゴット、弦楽器のユニゾーンの美しい響きもあって、優雅なメヌエットです。第6楽章:アンダンテ・モルト〜アレグロはシューベルトの音楽の美しさがあります。劇的な響きの前奏に続くアレグロはオーケストラのような素晴らしいアンサンブルです。フランスのアンサンブルの演奏は一味違います。この演奏は絶賛したいです。演奏時間61分10秒。


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