モーツァルト/室内楽作品

ピアノと管楽の為の五重奏曲/フリッツ・パールマン(2014)
CD(arcantus arc 15001)

アンサンブル4.1/起源
1.モーツァルト/ピアノと管楽の為の五重奏曲
                変ホ長調K452
2.ヴェルヘイ/ピアノと管楽のための五重奏曲
                変ホ長調Op.20
3.ギーゼキング/ピアノと管楽のための
                五重奏曲ロ長調

 アンサンブル4.1
 トーマス・ホッペ(ピアノ)
 イェルク・シュナイダー(オーボエ)
 アレクサンダー・グリュークスマン(クラリネット)
 フリッツ・パールマン(ホルン)
 クリストフ・ニット(ファゴット)
 録音 2014年10月5〜8日
   ブレーメン/ゼンデザール

 アンサンブル4.1はヨーロッパを中心に活動している団体です。ヴェルヘイの作品は世界初録音になります。
 モーツァルトのピアノと管楽の為の五重奏曲変ホ長調は1784年モーツァルト28歳の時の作品です。ベートーベンの同じ組み合わせの作品同様に人気の高い作品です。録音も多いです。3つの楽章で構成されています。ドイツのピアニスト、トーマス・ホッペの率いるアンサンブルはモーツァルトの明るさ、楽しさを存分に味合わせてくれます。第2楽章でホルンのソロがあります。優しい響きのホルンです。第3楽章は良い響きです。ピアノと管楽器のバランスが素晴らしいです。
 テオドール・ヴェルヘイ(1848〜1929)のピアノと管楽のための五重奏曲 変ホ長調は世界初録音になります。4つの楽章で構成されており、第1楽章:アレグロ、第2楽章:アンダンテ、第3楽章:間奏曲、アレグレット・コン・モト、第4楽章:フィナーレ、アレグロ・コン・ブリオとなっています。第1楽章は華やかな冒頭で管楽器のソロがきれいです。ホルンのソロがあります。第2楽章のアンダンテはクラリネットの序奏のあとにホルンの長いソロがあります。大変きれいな主題で木管に受け継がれます。何度も聴きたくなるアンダンテです。第3、第4楽章もロマッティックな作品です。
 ワルター・ギーゼキング(1895〜1956)はドイツの名ピアニストです。ピアノと管楽のための五重奏曲は1919年24歳のころに書かれた作品です。3つの楽章で構成され、第1楽章:アレグロ・モデラート、第2楽章:アンダンテ、第3楽章:ヴィヴァーチェ・モルト・スケルツァンドとなっています。第1楽章はピアノの伴奏によるオーボエのソロに始まり、ホルンとファゴットに受け継がれていきます。きらめくピアノが印象的です。展開部のホルンが大変楽しそうに演奏しています。コーダのファゴットとホルンの和音が素晴らしい。第2楽章はホルンのソロで始まります。大変よくできています。このアンダンテは大変ロマンティックな楽曲です。20世紀初頭にこのような作品があったとは驚きです。第3楽章はホルンの跳躍するような主題で始まります。ピアノは控えめでホルンと木管による物語風のスケルツァンドです。ギーゼキングがこのような名作を残していたとは驚きです。もっと録音されていいと思います。この演奏は絶賛したいと思います。


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