アンサンブル

荘厳序曲「1812年」/大阪音楽大学ホルン・アンサンブル(2016&17)
CD(WAKO WKCD-0112)

ホルンアンサンブルの夕べ
1.三村 総撤/大音ホルン30回記念演奏会の
            ためのファンファーレ
2.ホミリウス/ホルン四重奏曲変ロ長調Op38
3.ヒダシュ/4本のホルンのための室内音楽
4.ブラームス/交響曲第1番ハ短調から
         第4楽章(黒田泰昭編)
5.ケリー・ターナー/テトゥアンのカスバ
6.チャイコフスキー/荘厳序曲「1812年」Op49
              (近藤望編)

  池田重一指揮(1、4&6)
  大阪音楽大学ホルン・アンサンブル(1、4&6)
  東本眞奈(ホルン)(2)
  比戸杏李(ホルン)(2)
  池田留位(ホルン)(2)
  篠邊千菜(ホルン)(2&5)
  櫻井理香子(ホルン)(3&5)
、 吉岡眞由子(ホルン)(3)
  片岡結莉(ホルン)(3)
  才木茉夢(ホルン)(3&5)
  山下紗季(ホルン)(5)
  末廣彩佳(ホルン)(5)
  圓山 未菜(ティンパニ)(4)
  新屋 雅太(ティンパニ)(6)
  佐久間亨真(コントラバス)(4&6)
  山田 悠貴 (テューバ)(6)
  吉松知佳(バスドラム)(6)他打楽器3名
  録音 2016年11月15日
  豊中市立アクア文化ホール・ライヴ
      2017年11月18日
   ザ・カレッジ・オペラハウス・ライヴ

 大阪音楽大学のホルン専攻学生による演奏会のライヴ録音です。そのほとんどが女性というアンサンブルは驚きの素晴らしさです。
 三村総撤の「大音ホルン30回記念演奏会のためのファンファーレ」はこのホルン・アンサンブルのために書かれました。2017年が30回目の演奏会になります。16名のホルンメンバーによる壮大なファンファーレです。
 ホミリウスの「ホルン四重奏曲変ロ長調」はホルン・アンサンブルの定番作品です。東本眞奈、比戸杏李、池田留位、篠邊千菜の4人のホルンで演奏されています。3つの楽章で構成されていますが、4名の息の合った素晴らしい演奏には拍手です。
 フリジェシュ・ヒダシュの「4本のホルンのための室内音楽」はハンガリーの作曲家ヒダシュの作品。5つの楽章で構成されています。櫻井理香子、吉岡眞由子、片岡結莉、才木茉夢の4人のホルンで演奏されています。優雅な響きの作品で、ホルン・アンサンブルの楽しさがあります。第4楽章の速いテンポは見事な演奏です。こちらも素晴らしい演奏です。
 ブラームスの交響曲第1番ハ短調から第4楽章を12名のホルン・アンサンブルで演奏しています。編曲は黒田泰昭でコントラバス1とティンパニが加わります。この長大な楽章は序奏にアルプスのホルンメロディが入ることで知られています。この作品をホルンで演奏するのは大変ですが弦楽のパートや木管楽器のパートもホルンで演奏しています。指揮の池田重一は大阪フィルの首席ホルン奏者でした。この作品にも多くの思いがあると思います。冒頭から重厚な響きがあります。ピツィカートの部分はホルンで演奏します。聴きなれた作品ですが違和感なく聞こえてきます。ティンパニの強打とホルンのソロが感動的です。主部の演奏も大変素晴らしいです。ハイトーン楽器が入らないので物足りなさはありますがホルンの響きのよさは見事です。
 ケリー・ターナーの「テトゥアンのカスバ」はアメリカのホルン奏者で作曲家のターナーの作品です。5本のホルンで演奏されます。「テトゥアンのカスバ」はモロッコの世界遺産の風景を題材にした作品で8分を超えます。後半に夜の風景のような場面に鳥の笛が入りますが、素晴らしい作品で演奏の緻密さは抜群です。ホルンのグリッサンドがきれいです。
 チャイコフスキーの荘厳序曲「1812年」は大阪フィルの首席ホルンだった近藤望の編曲です。16本のホルン、コントラバス、テューバ、ティンパニ、バスドラムなどのパーカッションの他に別グループのホルンアンサンブルが4組で34本がホールの両サイドから演奏する壮大な演奏です。序奏のコラールはホルン・アンサンブルの響きの良さがよく合います。ロシア民謡の美しい響きのあとには戦いのシーンが来ます。打楽器とテューバだけでなくステージとホール一杯に50本のホルンが響きますから荘厳な響きになります。大太鼓の音が大変大きくなり響きます。これは凄い演奏です。ブラボーです。


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