ヤナーチェクのホルン作品

コンチェルティーノ/カーロリー・アンブルス(1995)
CD(NAXOS 8.553587)

ヤナーチェク/ピアノ作品集
1.主題と変奏(ズデンカ変奏曲)Op1
2.3つのモラヴィア舞曲
3.回想(1928)
4.体操訓練のための音楽(1893)
5.霧の中で 第4曲(オリジナル版)
6.霧の中で(1912) 
7.コンチェルティーノ(1925)

 トマス・ラヴァッチ(ピアノ)(1〜7)
 ベーラ・ナジ(ヴァイオリン)(7)
 ヴィルモシュ・オラー(ヴァイオリン)(7)
 チャバ・ババーチ(ヴィオラ)(7)
 ゲーザ・バーンヘギ(クラリネット)(7)
 イシュトヴァン・ハルテンシュタイン(ファゴット)(7)
 カーロリー・アンブルス(ホルン)(7)
 録音 1995年5月

 オーストリアのピアニスト、トマス・ラヴァッチのヤナーチェクのピアノ作品集です。ブダペストで録音していました。その中にコンチェルティーノが含まれていました。
 主題と変奏(ズデンカ変奏曲)は1880年26歳の時のピアノ作品。少女ズデンカのために作曲したものです。
 「3つのモラヴィア舞曲」は1892年と1904年に書かれた小品です。3曲で4分30秒ほどの作品で民族色の濃いピアノ作品です。
 回想(思い出)は1928年の作品。ヤナーチェクの遺作ともいえる亡くなる直前に書かれた小品です。
 「体操訓練のための音楽」は1893年の作品。ヤナーチェクはスポーツマンだったそうで体操の伴奏音楽といえそうです。
 「霧の中で 第4曲」のオリジナル版は「霧の中で」の第4曲「プレスト」のオリジナル・ヴァージョンということです。短い小品です。
 ピアノ作品「霧の中で」は第1楽章「アンダンテ」、第2楽章「モルト・アダージョ」、第3楽章「アンダンティーノ」、第4楽章「プレスト」となっています。ラヴァッチのピアノは表現力が豊かで大変素晴らしい演奏です。霧のかかった情景に日が差したような雰囲気も彷彿させる見事な演奏です。
 ヤナーチェクの「コンチェルティーノ」は2つのヴァイオリン、ヴィオラ、クラリネット、ホルン、ファゴットとピアノのための作品です。4つの楽章で構成されていて全員の演奏は第3、第4楽章だけです。第1楽章の「モデラート」はホルンとピアノで演奏されます。単調な主題と動きのある主題があります。やや速めのテンポですが、アンブルスののホルンは明るい響きで見事な演奏です。勢いも感じさせます。表現力が豊かで素晴らしい演奏です。ピアノのラヴァッチの演奏もよい響きです。第2楽章の「ピュー・モッソ」はクラリネットとピアノのデュオです。クラリネットが華やかで忙しく歌います。ピアノも力強く大変素晴らしい響きです。ホールによく響きます。第3楽章の「コン・モト」は全員の演奏になりますが、ピアノとヴァイオリンが目立ちます。ホルンはほとんど和音になります。第4楽章の「アレグロ」も全員の演奏です。ピアノの響きに圧倒されますが、ホルンのフレーズも聞こえます。ヤナーチェクの素晴らしい作品のひとつです。 


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